直撃
この組み合わせは珍しかった。
碧ハルは素直に思った。
神崎さんの彼氏の祐希かなめ。
神崎さんの友人の神室聖。
最近、病院から退院して僕のクラスの豊穣あかり。
休みの日に遊びにいくほど彼らが仲が良かったとは思ってなかった。声をかけるか迷ったが、ハルはやはりいつもどおりに接することにした。迷惑だったら挨拶だけしてすぐ帰ろう。うん、そうしよう。
にこりと無害な笑顔を浮かべて僕は近付いた。
ちょっとだけ彼らが驚いたよう表情をする。
「こんにちは」
「こ、こんにちは………」
祐希は声が裏返る
「なにしてるの?」
「あっ、街を案内して貰ってたの。ほら私って病み上がりだから自分の住んでる街のこと知らないでしょ」
豊穣あかりがフォローする。
「うん、でもここ僕らの街じゃないよね?こんな遠くに?」
「ああ、うん……」
フォローになってなかった。
神室は演技おまえら下手くそかと思った。
「あっ、まぁ、そんなことより碧ハルはなぜここに?」
苦し紛れに神室は話題を変える。
ハルの薄い茶色の瞳が上を向いた。
「友達の遠坂と遊びに行ったんだ。ほら、知ってるでしょ
。クラスメイトの。新聞部の………」
「「「…………………」」」」
全員がそんなやつしらんなという顔をした。
「ハハッ。えっと、僕とよく一緒にいる奴だよ。クラス違うし、それに豊穣さんは最近学校に来たからね」
「ご、ごめんね」
新書目録は苦笑いをした。
データは入れてるが、こと地球や学校。クラスメイトについてまだ収集中だ。これはクラスメイトとして失態だ。なんとなくボヤッとは顔は浮かぶんだが。
「遠坂はね。新聞袋でネッシーとか宇宙人とか大好きで情報通なんだよ。今度紹介するね」
「そうなんだ」
豊穣あかりは普通の少女に戻り雑談を楽しむ。
「それでね、なんかこんどは宇宙人の秘密基地を探すとかでさんざんつれ回されちゃって」
ははっと僕は笑いながら頭を掻く。
「全く迷惑極まりないな」
神室は吐き捨てる。
この場合どちらの意味かは計り兼ねる。
「でも、楽しかった。学校は勉強ばかりだから、僕は遠坂といると楽しいよ」
競争ばかりの社会で、こんな明るい友人がいることは希少だとハルは思っていた。
「宇宙人なんて探してどうなる?下らない。おまえ、もしも宇宙人に会ったらどうするんだよ。こわいやつらかもしれないんだぞ」
祐希がふんぞりかえってハルを指さす。
オイと小声で、神室が軽く肘鉄を喰らわす。
「えっ、どおって?」
そうだな。考えてもなかったと僕の頭を回転させて、結論を導く。
「たぶん、友達になれたらいいなと。いや、ごめん。あんまり考えたことなかった」
ハルは困ったような表情をした。
「ふん。お前と俺はすでに友達だがな」
「うん?」
オイと今度は神室から本気の肘鉄が飛んでくる。
フンッと華麗に祐希はかわす。
「なぁ、それでお前。宇宙人に会ったらどんなこと話す。どんなこと聞きたいの?」
意外にと祐希くんは宇宙人がいる設定で話してくる。
「えっ、そうだね。うん。う~ん、そうだなぁ」
ふと、それは心によぎった。
「僕らの地球って、綺麗だった?」
「なに?」
「宇宙の人から見た僕らの星は何色に見えたのかなって」
澄んだ目をした一人の少年は尋ねた。
「そうだな。白色の海が黒く汚れた星だったよ」
「…………………」
「そ、そっか。じゃあ僕頑張って青い星にできるよう努力するの。だってこのままじゃ、宇宙人にも恥ずかしいからね」
「…………そうかよ」
しばらく祐希は碧ハルを見詰めた。
こうゆうとこが冬子様が気に入ってるんだろうなと。素直で前向きな珍しい人間だ。
ゆっくり時間が進んでいく。そんな休日だった。
その一瞬までは。
ドンッ!!!!!!!!!!
急に空が明るくなって、すぐに元に戻る。
「花火?か?」
そんなわけはわないが………。
「なんだいまのは?」
僕もそれはわからなかった。
わかるのは背後で大きな音がなったことくらい。
「さぁ、なんだろね」
僕は顔をあげて周囲を見渡すが、変わった様子はない。だだ祐希くん達は青ざめていた。
「おまえどうした?」
「なにが?」
生暖かいものを伝う。
驚いて手を拭うと血がついていた。
「あれ?」
真っ赤だ。
それは僕の鼻血だった。




