確信
腕を組ながら祐希は静かに呟いた。
「絶対あいつだ。間違えない」
太陽は傾きはじめて、昼はとっくに過ぎてしまった頃だった。向かい合いながら新書目録と神室も腕を組んでいた。
「なんだ?どうした?」
不思議に思い祐希は神妙に尋ねた。
「すまない。私はお前のことをただの馬鹿だと思っていた」
しげしげと新書目録は祐希の顔を見た。
「殴るぞ」
「俺はもともと冬子様の側近だったのを忘れているのか?そんなもの優秀じゃなければ選ばれるはずもないだろう」
「ああ、忘れてたな。てっきり姫様の贔屓かと」
ぽりぽりと新書目録は頭をかいた。
「おい」
「すまない。俺もお前のことはすっかり平和ボケで、てっきり自分が宇宙人だということを忘れたポンコツだと思っていた」
「お前は本当に殴るからな?」
すまん、すまんと言いながら神室は距離を取りながら後ろに下がる。
「言っておくが、俺は未だにスキルを所有者だ。そして戦闘に優れた冬子様の腹心の部下だぞ。忘れるな」
祐希は堂々といい放つ。
「………そうか。ちなみにさっきのは?」
顔をあげて彼は、新書目録に教えてやった。
「あれは、ドッペル。短い時間だか相手の容姿、記憶を模倣する」
「はじめてみたな……」
「あたりまえだ。俺の他に出来るやつはシリウスにはいないさ。どうした?」
少女の顔が意味深になる。
「なるほど。姫様が可愛がるわけだな」
「勘違いするなよ。冬子様は俺の能力を悪用しない」
「そうだろうか?」
「そうだよ。俺は俺のことも自分の能力のことも信用してない。でも、彼女のことは信じてる。そんな冬子様のためならスキルを使える」
「ああ、悪かったよ」
柔和な少女の笑顔を作り笑いをする。
「それにしても、これからどうする………」
「あっ!!!!!!」
新書目録の背中で声がした。
振り返ると、人懐っこい本物の笑顔で眩しく笑う同級生がいた。
「珍しい組み合わせだね。みんな何してるの?」
そこには蒼ハルが立っていた。




