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狂った歯車




その男の目の奥には深い欲望を私は見たような気がした。彼は、いつもそつがなく穏やかで優秀であった。

身分の差がなければ間違えなく国の上にはずだった。


私もかくゆう卑しい身分ではあったが、それでも王族の端くれだった事実はそれなりに重かった。


黒い漆黒の髪。鋭い眼差しの従者がジダという男だった。彼はいつも間違わなかった。雑用の下働きから、いつの間にか王族の信頼する従者に登り詰めた。


彼が間違えたのは一度だけ。


シリウスの王族の達の派閥争いが怒ったときだった。

本当にただ一度の過ち。


彼は私が王になると考え違いをしたのだ。慌ててどうにか兄上に取り繕うも突然の出来事に私達と一緒にシリウを終われたのだ。

順風満帆だった彼の足元は崩れ、さぞ私を恨んでいることだろう。





テーブルの上に白いくつもの書類が散らばる。それを私は冷たい心で見つめた。


「ご苦労だったわね。新書目録。よく調べてくれた」

水色の髪の少女が顔を上げた。


「おそらくこの件。ジダが絡んでいる」

「私も同じ考えです姫様。いかがいたしましょう?」

そこにいたのは豊醸あかり。昼間の違う表情をして立っていた。丁寧に膝をおって挨拶をする。


「地球人に危害を加えることは許さん。私は彼と話し合いをしたい。ジダを私の前の連れてくることは出来るか?」

「勿論でございます。ただ私だけでは……」

「祐希と神室なら使ってもかまわんぞ」

「有り難きお言葉。ところで相馬ジュリは姫のお気に入りですか?」


「………あやつは私の傍に置いておくほうが良かろう」

「………さようでございますね」



薄暗い部屋には、淡い月明かりだけでお互いその表情までは明確にはわからなかった。






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