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病弱な彼女



スレイブを起動してニュースを聞きていた。


また一つ小さな会社が合併された。

最近、破竹の勢いといわれる巨大組織に。もうほんとに経済界を牛耳る勢いで。当初、上から目線だった財界派閥の連中は今頃顔をしかめていることだろう。


「はぁ」

小さなため息をハルは落とした。

目まぐるしかわる社会のようについていくことは出来ず、将来の行く末を憂いだ。

この社会は少ないパイを取り合うゲームのようだった。



力ないものは淘汰されていく。自分のスレイブの適性がなけばあっというは振り落とされ転落してただろう。




早朝の道すがら、さえずる鳥の鳴き声を聞いて目を細める。

淡い光の中に水色の長い髪が揺れている。美しい少女は、こちらに気が付き僅かに微笑んだよう見えた。


「おはよう」

「おはよう、神崎さん。早いね」

「いろいろと忙しくて、あなたと話す時間が取れなかったから顔を見たくて待っていた」

深い青い瞳を真っ直ぐ向けられる。


ああ、凄い殺し文句だなと僕は思った。

「復学した豊醸あかりさん。彼女の面倒を見ていたんだよね?委員長は偉いね」

「書類の手続きと、学校の案内くらいよ。彼女、優秀だからすぐに馴染むわ」

「でも、体は大丈夫なのかな?病弱って聞いてるよ」

「ええ、すっかり健康よ。なにかあれば、助けてあげて欲しい」

「勿論だよ」

そして、たわいもない会話は続いた。



「財閥界隈が騒がしいみたいだよ。旭さんとまきりんが言ってた。結構強引な手段でのしあがってくる企業があるようでピリピリしてるみたい」

「なんの会社なのかしら?」

「それがはっきりしないみたい。表向きは製薬会社みたいだけど、宗教じみた集団らしいよ」

「そう……」

何が言おうと冬子は口を開いたが、目の前の少女の姿を見て黙った。


少し前まで青いかった顔色は、血色がよくなっていま。花がほころぶような笑いかける少女がいた。


「おはよう。クラス委員長、碧くん。私も一緒に登校していい?まだ友達いないから寂しいんだ」

まったくその様子からは、病弱さの欠片も感じられなかった。いままで、学校にこれなかったのが不思議なくらいだ。


「おはよう。元気そうで安心したよ」

「元気元気、朝からご飯も三杯食べてきた。青汁とプロテインも飲んできたよ、ハルくん」

彼女は、めちゃくちゃ元気だった。

しかし、微妙な違和感があった。何度かは会ったことはあるが口数少ない儚げなクラスメイトだった記憶あるのだが。

過去のことなのでたしかではないかもしないが。


「はは、豊醸さんって意外と明るい人だったんだね」


「………………」

「………………」

なんだろう。この間は。



「いや、いままでずっと入院生活してたから。逆になんかハイになっちゃて。エナジードリンクのんだからかな。まぁ、そんなとこ。ああ、張りきったから持病が、ああ、やっぱり私まだ病み上がりだから、ゴッホ、ゴッホ。保健室寄ってから登校するね。そ、それじゃ!!!!」

「あ、まっ………」


そのまま、ピュッと全速力で走り去ってしまった。スプリンターなみの俊足だった。


「彼女、あんなに足早かっただろうか?」

「早く体力をつけたいと、最近走り込みをしていたようだから………」



碧ハルは、すでに彼女からは病弱なの病の字も感じることは出来なかった。







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