グッドモーニング
穏やかな朝の木漏れ日。
いつもと変わらない風景ではあるが、廊下には緊張が走っていた。
凍りつく周囲の生徒の中に遠坂もいた。
「おはよ。遠坂」
のんきな笑顔をハルは向ける。
「おお……」
挨拶をしようとすると、ハルは誰かに気が付いたのか振り返って声をかける。
「おはよう。まきりん」
笑顔で挨拶する相手に周囲の生徒が凍りつく。
なぜなら、相手はキングオブ問題児のマキリ家の御曹司様だからである。鋭い獣のような瞳に鮮やかブロンド。目が合ったら相手を全て殴り殺しそうな短気な性格。皆見てみぬふりをして学園生活をしていたのに。
おお、ハルよ。なぜなのか?
なぜ、挨拶なんてしてしまったのか。殺されるぞ!!!!!遠坂は心の中で叫んだ。
おお、ハルよ。なぜなのか?
なぜ目を合わせてしまったのだ。
そう思いながら遠坂は頭を抱えた。
時が止まったように静かだった。
そして、マキリはハルを見て口を開く。
「おはよう………」
今度は別の意味で周りの生徒達が止まった。
あの暴君マキリがなんと言った。
おはよう?
英語でグッドモーニング?あいさつを返したのか?
ホワイ?
「あっ、もうチャイム鳴っちゃう。遠坂、教室に入ろう」
そして、なぜハルはこんなにもマイペースなのか。いつもだけど。
「じゃあ、僕クラス違うから。バイバイまきりん」
マキリは素っ気なく手を振って、自分のクラスの方に歩き出した。
ホワーイ?
暴君マキリが手を振ってるぜ??まじかよ?




