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新書目録





ハルの帰りが遅い日は、りこの部屋でミーティングが始まる。

「なんだ暗い顔だな」

「なんでもない。早く、あなた達を帰さないと決意を固めてるのよ」

祈るように手を組んで低い声を出す。


何故なら、いつまでもこんなことが続いたら私とハルちゃんの日常に非日常が侵食してくるからよ。勿論わたしも良心がある。力にはなりたいと思う。でも、私とハルちゃんのイチャコラをこれ以上邪魔されたくはない。りこの心の中で葛藤が渦巻く。


「あなた達を必ずや宇宙に返す!!!!」

「お、おう」

神室はびびる。

「だから、あなた達は、私の日常を早く返してね!!!!」

切実だった。





祐希はチョコパイをつまみながら、ぼんやりしていた。日本のお菓子はうまいなと思いながら。しかし、りこと神室の会話に入れずにダラダラとお菓子を口に運ぶ。向こうじゃいつも食事はカプセルや栄養ドリンクだったものな。だんだん体が地球に馴染んできたようで、味覚というものを最近は楽しんでいる。


「おい、おい、祐希。聞いてたか?あれを出せ」

「んっ?」

「あれだよ。あれ」

「ああ」

祐希はポケットを探りあれを出す。

「これだろ?」

おもむろに神室に手渡す。


そこには、キャンディが1つ。


「違うわい!!!!!!!!!」

「エッ?」

「聞いてた?俺の話し聞いてたか?早く出せ。新書目録を!!!!」

「そうだ。蒼りこにも見せておく。宇宙船の原理。我々の知識が記された新書目録。お前に預けただろう。ほら出せ」

凄い剣幕でまくし立てる。


「ねぇ、そんなに興奮しないでよ。近所迷惑だから。新書目録って、なんなの?そんなにすごいの?」

「ああ、我々の知識の源。あれで宇宙船を動かしていた。あれがあれば、君も作業が捗るだろう」

「ふぅん。ちょっとすごいわね」

純粋に、りこは彼らの科学のレベルに興味があった。

「ある意味宇宙船より貴重だ。船を捨ててそれだけ持って逃げるくらいにはな。さぁ、早く出……」


神室の顔色がさっと青ざめる。

「まさか、お前に……」

嫌な予感しかしない。



「なくしたとか言わないよな?」

「あるさ」

真剣な眼差しで祐希は神室を見つめる。

「そ、そうか。よかっ……」

「あるさ。新書目録は俺達の心の中に永遠に」

清々しく祐希は微笑む。



「なくしてんじゃないか!!!!!!この馬鹿たれ!!!!! 」

神室の絶叫がこだました。













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