まきりん
誰?
金髪につり上がった眉。黄金の瞳。
そうだ。あの噂の編入生。
なんかちょっとこわそう。
「はは、酷い花壇だな。うける。お前が世話してたのか?ざんねんだな」
「あっ、そうだね」
ハルは苦笑いする。
「つまんねぇな。もっと面白い反応しろよ」
チラリと花壇のほうに目をやる。
「あれさ。俺がやったんだよね」
「えっ?」
反応した様子に彼は楽しそうに薄く笑う。
「なんだよ。文句あるのかよ」
野生の猛獣のように低い声で唸る。誰も怖じ気づくような凄みがあった。学校の生徒から怖がられるわけだ。
「文句あるよ!」
真っ直ぐにハルは叫んだ。
「はっ?」
「なんで人が一生懸命世話をしてるのにそんなことするんだよ」
「ああ!!!」
勢いよく胸ぐらを捕まれる。
「そんなことしたら駄目だろう」
「生意気だぞお前」
「生意気も糞もない。駄目なものは駄目だ」
キッとハルもにらみ返す。
怯まない相手も面食らったようだ。
う~ん。でもこれどうしよう。僕殴られるパターンだなこれ。最後に相手の顔は拝んでおこう。
ハルは諦めたように噂の編入生の顔をマジマジと見る。う~ん。これは確かに怖い。威圧感半端ないもん。
背が高くて、金髪。鋭い黄金の眼差しかぁ。強面のイケメン。くそぅ、この世界にはイケメンしかいないのか。僕の顔は平凡なのに。
う~ん。でもなんか、見覚えがあるような。
あ、あれ?
「まきりん?」
「ああ?」
「ほら、昔近所に住んでたじゃない。まきりんじゃない?」
「んだと?」
「蒼ハルだよ。そうだよ。目つきの悪い暴れんぼうの。まきりんでしょ」
初めてマキリは、胸ぐらを掴んでいた奴の顔を見た。
ハッとして息を飲んだ。




