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儚い命
花など咲きはしないと心の何処かで思っていた。
それでも、少しずつ緑の芽が出て成長する様子は心が踊った。たぶん君と一緒に世話をしたからかな。
枯れるのはわかっている。でも、百万回に一回くらいの確率で、咲くかも知れないなんて夢を見て。
ハルはしゃがんで座った。
散り散りに荒らされた花壇を眺める。
「まぁ、これが現実だよなぁ」
「はぁ」
小さくハルはため息を吐く。
神埼さんになんて言おう。今日は用事があるって帰ったけ。
「う~ん。とりあえずかたずけよう。それで担任に新しい球根でも貰ってこよう」
立ち上がりながらハルは考える。
でも、現実問題点咲かない花を世話するなんて虚しいよな。僕は神崎さんといれて嬉しいけど。ちょっとは花を咲かす努力でもしてみようかな。
そういえば、まえに植物園に行ったっけ。あのときの花は凄く綺麗だったな。あれはどうしてだろう?
水かな。それとも土?空気かな。次は肥料でも混ぜてみようかな。そうだ僕の妹なら何かいい案が浮かぶかも。
一度でいいからこの花壇に咲かせてみたいな。
あの日見た美しい花みたいに。
かたずけを終えたハルは夕暮れの空を見上げ…。
「おブ!!!」
ることはなく人にぶつかった。
金髪の鋭い瞳の少年だった。




