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誤算
そういうことか。
剣の姿になった相手のレイブを受け止める。
キンッ。
甲高い音がする。
彼女の態度も頷けた。確かに腕は悪くない。
運動神経も技術も自分の方が優れてはいるが、まぁまぁだ。ジュリは観察しながら注意深く、剣先を払う。
冬子は微笑を静かに浮かべた。
「ほう、あのタヌキめ。ただの生徒ではなかったようだな」
確かにジュリの方が全てにおいて優れている。しかし、この勝負は見えた。
「???」
何故だろうか。あと数ミリが届かない。
ジュリは困惑した。それに、なんだかスレイブの動きが鈍いような???
「はい、残念。こちとらスレイブとは長い付き合いだからね」
満面の笑みの赤毛の少女。コニーはツンッとスレイブで軽くジュリの額をこずいた。
「やったね。ハルハルみてみて。私すごいでしょ」
コニーは、飛び上がって教室に向かって手をブンブンと回す。
「えっ???」
一瞬、ジュリは状況が飲み込めなかった。しばらくその場に立ち尽くす。そして、ゆっくりと理解した。
私は負けたのだ。
「おっ、おお!!!!」
遠坂は歓喜の声を上げる。
「おい、見たかよ。いまの勝負。凄かったぞ」
振り返るとハルは単語帳を読んでいた。
「えっ。なに?」
「駄目だぞ。お前のそういうとこ………」




