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挑発





 辺りが微かにざわつく。

 それを遠目に冬子は見ていた。



 何をやっているんだジュリは。らしくもない。

 いや、本来らしいのかもしれないが。


 彼女は合理的に判断して、邪魔者を排除する傾向がある。向こうでは優秀な者ばかりでお互い牽制し合う状態であったが、この星においては、文明も知能も能力も劣る人間達ばかりなのだから。

 それを小馬鹿にされた態度をとられれば面白くないだろう。だか、地球人として暮らしてみると彼らの優しさや不器用さが嫌いではない。

 自分達にはない発想や考え方が知能や能力だけではない個性が面白く、心地よいと感じることもある。


 まぁ、なんだ。つまりは私はなるべく彼らと仲良くなりたいのだ。




「あっ、そうだ」

 コニーは微笑みながら提案する。

「これからストレッチも兼ねてスレイブの訓練だったわよね。基礎体力作りだったかしら?ねぇ、それならスレイブでの模擬戦でもやってみない?」

「怪我をしますよ」

 淡々と返し、ジュリはこちらを見てくる。


「えっ、あなたが?」

「まさか。玩具じゃないのですから、扱いに気を付けてなくては」

「こんなの。玩具みたいなものじゃん。軽く手合わせみたいなやつでいいしさぁ」

 ヘラヘラとコニーはスレイブを片手で展開する。それを見て冬子は、渋々合図を送る。ジュリはそれを確認する。


「まぁ、いいでしょう。許可もおりたことですしやりましょうか?」

「ん~っ?誰の許可か?まぁ、いいか。ちょっと遊ぼう」

 真紅の瞳が不敵に笑う。

 スレイブの形状が剣のように変わっていく。

「そんな、形式的なものじゃなくていいからさ。体に一本衝撃を与えたら終わりね。お互い怪我すると困るから、スレイブの強度は木刀くらいの固さね」

「ええ、そうね。問題は困りますから、妥当なところですね」

 ジュリもスレイブを展開させる。

 





「おっ、盛り上がってきたね」

 遠坂が窓から身を乗り出す。





 




 



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