邂逅
煌めく太陽が降り注ぐ。
透き通る肌にしなやかな水色の髪。
すらっと伸びる体操服からカモシカのような足。神﨑冬子の後ろ姿をみながら僕は思った。
「幸せだなぁ」
今日は女子の校庭で合同体育で、男子は教室で授業である。教室の窓から眺めていると、下の方から声がする。
「ハルハル~」
明るい声の主は、コニーだった。僕は軽く手を振った。
「駄目だぞ。お前のそういうとこ」
「どういうとこ?」
「誰にでも愛想いいとこ」
振り向くと遠坂が顔をしかめていた。
「担任が体調不良で自習だってよ」
「そうなんだ。じゃあ、僕はテスト勉強しようかな」
早速、ハルはタブレット出して復習をはじめる。
「勉強するのか?ダラダラしながら女子の太ももでも眺めようぜ」
「う~ん、でも家では妹とゆっくりしたいから勉強は出来るときにやっとくよ。遠坂はゆっくりしてなよ」
「言われなくても。んっ??なんか女子揉めてないか」
窓枠に遠坂は身を乗り出した。
「おっ、あれは神崎親衛隊の相馬ジュリ。短い柔らかいの髪。スラッとしたボディに清楚な感じ。クールで冷たい感じが割りといい。学力、運動神経バランスのとれている。ちなみにクラスは違うが、俺の好みだ」
「それ、いろんな女子に言ってないか?」
「バッ、カ。俺はストライクゾーンが広いんだよ。誤解するな」
「慣れなれしくありませんか?」
冷たく射すような視線の先に少女はいた。
「あら?何がかしら?」
コニーは真っ赤な髪をかきあげて、薄く笑う。
「神崎さんにかしら?でも、彼女クラス委員だからね。学校のこと教えて貰ってるのよ。神崎さんの親衛隊なんでしょ。悪いけど誤解よ」
「いいえ、彼のことです」
ちょっと、驚いたようにコニーは目を大きくする。
「あら?誤解じゃないわ。なれなれしくしてるの」
「止めて欲しいのです。彼は冬子様のご友人です。節度を持って接して下さい」
「ああ、そういうことね」
「それに、あなたはこの学校には相応しくない。どうやら学力も低いようですし、運動も人並みのようですし」
「ヒドイわ。まるで私が裏口入学でもしたいみたいじゃない」
くるりと向きを変えてコニー空を見る。
「いえ、そこまでは言ってません」
「ふふふっ」
「?」
「なんて。そのとおりよ。お金積んだのよ。でもいいじゃない。こんな時代に生まれたのだからせいぜい好きなことして楽しまなきゃ」
真紅の瞳は、どこか凶器じみていた。
「あなたとは相性が悪いようですね」
「奇遇ね、私もそう思うわ」




