帰り道
太陽が傾きはじめ、淡い夕焼け色の中。
校門の出口に差し掛かったとき声がした。
「いま帰りか?」
振り返ると端正な顔立ちの美少年がいた
「なんだ。人を顔をじっと見て」
「いや、ほんと不公平にもほどがあるなと思って………」
その顔で生まれたらさぞ人生楽しいだろうなと。人を妬むことはしないが、やはり羨ましい。その顔で背も高く。金持ちで、おまけに神崎さんの彼氏である。遠くから眺めるぶんには嫉妬などしないが、何故か彼はかなりの頻度で接触してくる。それゆえ、僕はその輝きで惨めになるのだ。
「祐希くんこそ、遅いね今日は」
「ああ、サッカー部のスケットをしてんだ」
スポーツも出来るんだもんな。とんだイケメンだ。
「そう、お疲れさま。また明日学校で」
「おいおいおい、帰る方向一緒だろ」
「えっ」
「えって、なんだよ」
ゆっくりと僕らは歩き出した。
「蒼ハル。お前にあれだろ。まえに殴ったの怒ってるだろ」
「そんなことは気にしてないよ」
ただ気まずいのだよ。
君が神崎さんの彼氏なので。
「そうなのか。なんとかっていうクラスメイトとはよく話してるじゃないか」
「クラスメイトだし。遠坂は友達だから」
「俺はじゃあなんだ」
「神崎さんの彼氏で別のクラスの人。りこの友達?つまりは知り合い程度ではないかと思ってる」
「友達の友達は友達じゃないのか」
なんというジャイアン。
「ゆえに、俺はお前を友達だと思ってたんだが……」
第一印象最悪でそれはない。
「僕も君とは友達になりたいけど、そんなに出来た人間じゃないんだよ」
ちょっと悩んで、ハルは口にした。
「僕、神崎さんのこと好きなんだ」
少し祐希くんは、驚いた顔をした。
「俺も好きだぞ」
「じゃなくて」
「あっ、そういうことか………」
「そうなんだ」
「俺達、ライバルってやつだな」
「なんで???」
すでに、勝敗決してるじゃないか。
「ところで、蒼ハル。編入生には気を付けろよ」
「えっ?」
「俺のクラスなんだ。マキリって奴。乱暴でさ、絶対お前カツアゲされそうなやつだからな。なんかあったら俺に言えよ」
ハルは少し考える。
「そんなに悪い人じゃないかもしれないよ」
不思議とそんなことを言ったのは何故だろう。
微かな記憶が脳裏をよぎる。




