63:騎士と因縁。②
すみません、全然終わらないです。六十話の時に残り三話くらいと言いましたが、この時点で残り二話くらいないと三章が終わらないです。
それと、いつの間にか総合評価800に到達していました! ありがとうございます! 連日投稿ができなくなったころから、作品を書くのをあきらめかけていましたが、もう少し頑張ってみようと思います。
突っ込んでくるドラゴンに、俺は再び盾を前にして≪絶対防御≫を発動する。今回もそうだが、絶対に守らないといけないお方が後ろにいる。それだけで俺の力は何倍にも大きくなる気がする。
「ドラゴンが来たよッ⁉ どうするの⁉」
前野妹が大きな声でそう言いながら深紅の刃が特徴の刀剣を腰から抜いた。すると俺のクラウ・ソラスとその深紅の剣が共鳴している。何か、こういう繋がりでも嫌だな。どうにかならないものか。
「どうするって、やるしかないんじゃないの?」
言葉では余裕そうだが、顔ではドラゴンを見て焦りの表情を浮かべているウェービーヘアの女こと、三木真彩が青色の杖を何もないところから取り出した。再び俺のクラウ・ソラスと共鳴している。いや、より一層光が強くなっている。
「大丈夫。リサが絶対に治して見せるから」
そう言いながらも、ずっと俺の方を見て目を離してくれない茶髪をカチューシャ編みしている女、前野梨紗は腕に橙色の腕輪を出現させた。他と同じく、神器持ちの全員と共鳴している。どんどんと光が増してきている。
「・・・・・・撃ち抜く」
いつもながら言葉少ない長い髪を三つ編みにしている女、佐伯千奈が緑色の弓を異空間から取り出した。新たな神器が集まったことで、今までに見たことのない輝きがクラウ・ソラスからあふれ出ている。
「じゃあ、私もやっちゃおうかな!」
リモージュ王国の王女さまも漆黒の双剣を出現させた。そうなると、この場に集まっている神器は合計で六本となる。特に力が増加する、低下するなどはないが、クラウ・ソラスからあふれ出ている光が異常なまでなものになっている。≪魔力武装≫に引けを取らないくらいの輝きだ。少しうざいくらいだ。
「アユムッ! あれを受け止められるのか⁉」
「行けます! ラフォンさんたちは自分の後ろにいてください!」
ラフォンさんに行けるのかと問われたが、いけないとフローラさまにお怪我をさせることになるため、いけないかもしれなくてもいけるようにしなくてはならない。だから、俺は自信を持って大丈夫だと言う。
「グ、ガアアアァッ!」
「フンッ!」
深紅のドラゴンが闘技場の観客席に突っ込みながらその二本の角を向けて俺の元へと突進し、俺と正面衝突した。俺とドラゴンが衝突したことで、俺の背後以外の周りには衝撃波が走り、それだけで闘技場が原型をとどめなくなるほどであった。ドラゴンの突進に、立っている地面が割れるほどの衝撃であったとしても、決して俺の後ろにドラゴンを行かせないし、俺も下がらない。これ以上下がることがあれば、それは俺が死ぬ時だ。
俺が一歩も引かずにドラゴンの突進を止めると、次にドラゴンが口から炎をあふれ出し始め、またあの超高濃度の魔力で作られた炎を吐き出そうとしている。さすがにこの距離でやられると、少し燃やされるかもしれないが、後ろは死んでも守る。
「さすがにそこまで好き勝手にはやらせないよ! ≪剣王・出陣≫!」
「アユムにこれ以上手を出さないで! ≪激・流水剣≫!」
俺が一層身体に力を入れているところ、背後に上半身だけの半霊体状態の巨人を出現させた双剣の持ち手と、深紅の剣に激しく流動している水を纏わせた前野妹が俺の≪絶対防御≫の前に出てきた。そして、双剣を持った半霊体はドラゴンへと一太刀あびせ、前野妹も水の剣をドラゴンに当てた。
「かったぁぁぁっ!」
「ッ! いったぁいっ!」
双剣の持ち手と前野妹は揃って、ドラゴンの堅さに逆に手に衝撃が走っているようだ。分かり切っていたことだが、こいつらの攻撃はドラゴンに一切効かなかったようで、今まさにドラゴンは炎を吐き出そうとしてきている。
「早く俺の後ろに下がれ! 炎がまた来るぞッ!」
俺の前に出ている二人に下がるように促すが、一瞬のことで俺の後ろに下がれない。・・・・・・くそっ、俺がフローラさま以外で、しかも前野妹を守るために力を使う時が来るとは思わなかったッ! 俺は苛立ちながらも≪絶対防御≫を一度解いて、二人より前に出て再び出現させた≪絶対防御≫でドラゴンをその場から押しのけようとする。
だが、それよりも前にドラゴンの炎が俺に直撃するも、後ろに行く前に≪絶対防御≫が発動してフローラさまたちには炎はいかなかった。
「アユムッ!」
俺の鎧の大半が溶けており、ドラゴンの炎が俺の鎧を無視して俺の身体を焼いてきた。フローラさまの悲痛の声が聞こえるが、そんなに心配しないでください。まだ俺は戦えます。それに、鎧を着ていてよかった。鎧がなければ焼き焦げか、炭になっていたぞ。
それくらいにこの深紅のドラゴンの炎がやばかった。それにドラゴンの堅さと来た。これは他の人間たちが勝てないわけだ。こんなものが各地で破壊行動してくれたら、なす術がない。それも他に四体いるのだろう? とんだ化け物だ。
それでも、俺がこの場で負けるつもりはない。化け物だろうが、神と相反する存在であろうと、俺の主であるフローラさまに手を出すのだから、俺はこの場で勝つしかない。・・・・・・≪解放≫を使うか? いや、それはリスクがある。俺が使い切れずに不発に終わるかもしれない。
ならば、≪魔力武装≫を全力で使うしかない。少しの間だけフローラさまをお守りすることができないが、それでもここで無様に負けるよりかはマシだ。何より、この深紅のドラゴンに≪順応≫してきたところだ。ドラゴンの炎で、≪火炎無効≫を取得することができた。これであいつの炎で俺のスキルとリンクしている鎧が溶けることはなくなった。
やけどしている身体は≪超速再生≫で回復させ、再び俺は≪魔力武装≫で白銀の鎧を作り出した。その際に黒い模様は八割にまで達していたから、白銀の鎧とは言い難いものであったが、今は関係ない。目の前のドラゴンを倒すことだけを考える。
「こいつは俺が殺す! お前らは手を出さずに絶対にそこにいろ!」
全力で戦うのなら、他の奴らが並んで戦うのは不可能だ。まだ俺と同等の力を持っているのなら別の話だが、あの程度の実力なら邪魔になるだけだ。それなら俺の後ろにいてくれた方が安心して戦うことができる。邪魔されることが一番厄介だ。
「ドラゴンを相手に本気なの⁉」
前野妹がそう言ってくるが、俺の考えは変わらない。これはこいつらが嫌いとか、顔も見たくないとか、そういう以前の問題だ。こいつらではこのドラゴンには勝てない。
「本気だ、お前らは足手まといだ。さっきのドラゴンへの攻撃で理解しただろう。お前らでは戦力にならない。俺の邪魔になるだけだ。俺に死んでほしいのなら、俺の邪魔をしてくると良い。その時は遠慮なくお前らを殺す」
俺は殺気交じりに神器持ちにそう言い放つ。俺は前野妹たちのことを一切信用していないから、これくらい言わないと分かってくれないだろう。邪魔してきたら殺すというのは本当だ。俺の邪魔をしてくるのならチャンスと思って殺しに行く。それくらいの気持ちでいかないとこいつらは引かないだろう。
「ガアアァッ!」
抑えていたドラゴンがこの状況に痺れを切らしたようで、一旦距離を取ってその鋭い爪で俺に攻撃してきた。だが、それも俺の≪絶対防御≫で防いだ。何度もドラゴンが爪で攻撃してくるが、俺の防御に一切通じることはない。
それを理解したのか、ドラゴンは魔力を全身に纏わせた。その魔力を纏っている状態の爪で俺にまた攻撃してきた。その威力は先ほどのものとは比べ物にはならないほどに強く、正面衝突してきたくらいの強さであった。魔力の濃度が濃いから、その分攻撃力が高くなっているのだろう。
俺が少しだけ引いているのを見たドラゴンが、その爪で何回も攻撃してきた。俺はその攻撃に少しずつ押されてきている。こうなってしまえば、後ろ以外の周りの被害はどうなっても良い。だから、俺は≪剛力無双≫と≪強靭無双≫、≪神速無双≫の三つを限界まで使い始める。
普段から制御できる限界の四割を使っているが、今回の相手は限界まで使い続けないといけない。だが一つ注意する点がある。それはこの三つのスキルが上限なく能力が上がり続けるという点だ、使い手の身体など無視して。限界まで使いつつ、限界を超えないように使う。まぁ、制御できるのが四割で、それ以上使っている時点で制御できるはずがない。早めに終わらせろということだ。
「ガ、ガアッ⁉」
「今からこっちのターンだ」
スキルを解放したことで俺は爪の攻撃を難なく受け止め、盾でドラゴンを押し始めたことでドラゴンから驚きの声が出てきた。・・・・・・あぁっ、身体が熱くなり始めている。最近慣らしていなかったから身体が追い付かないかもしれない。最近身体が疲れないようにしていたからかもな。身体を鍛えると同時にスキルもたまに使わないとな。
そう思いながら、盾でドラゴンを薙ぎ払いドラゴンの体勢を崩した。その隙にクラウ・ソラスでドラゴンを真っ二つにしようとするが、ドラゴンが必死に翼を羽ばたかせてその攻撃を避けた。ドラゴンが避けた先は数キロ先まで地面すらも綺麗に切れている。
この威力で他の剣スキルを使っていない状態だ。他のスキルを使ってしまえば、本当に国を滅ぼしかねない。だけど、このドラゴンにはこの状態で十分だ。
今度は確実に決めるために、俺は必死に避けたドラゴンの正面へと一瞬で移動し、クラウ・ソラスを振り下ろす。またしてもドラゴンは図体に見合わず素早く避けようとするが、正面に立っているため俺のクラウ・ソラスから逃げることができずに俺は片翼を切り裂いた。翼を切り裂かれたことにより、ドラゴンは悲鳴を上げながら落下した。
さっきまではこちらを殺すための捕食者だったドラゴンが、こちらを必死で逃げる獲物へと成り下がっている光景に爽快な気分になる。フローラさまやブリジットを狙うからそうなるんだ。それに、俺が相手にした〝エターナル・ドラゴン〟ほどの力はないから、俺の敵ではない。
「ガアアアアッ!」
深紅のドラゴンが叫び出すと、斬られた場所から新たな翼が生えてきた。へぇ、そういうこともできるのか。普通なら堅くて攻撃が通らないのに、再生能力もついているのか。普通はどちらかだと思うが、普通の相手ならこれで絶望的な状況になるだろう。だが、俺は違う。
「それだけでいいのか?」
翼を再生しただけだったので、俺は再生した翼ともう片方の翼を切り裂いた。ドラゴンはまた悲鳴を上げているが、俺みたいな相手を対処する能力は持っていないようだ。俺のような≪順応≫がないと勝てないぞ? 勝たせる気はないけど。
さて、そろそろで勝たせてもらわないとこちらの身もきつくなってきた。次の一撃ですべてを終わらせる。そう思ったその時、深紅のドラゴンから咆哮が放たれた。何も細工をしていない咆哮だが、強すぎる咆哮ゆえに鼓膜を打ち破り身動きが取れないほどの攻撃力を帯びている。
俺はすぐにフローラさまたちの前に立ち、その咆哮を≪絶対防御≫で防いだ。俺がフローラさまたちの前に立っているのを見計らい、ドラゴンは俺に背中を向けて逃げ出した。まさかドラゴンが逃げるという屈辱的な選択肢を取るとは思わなかったが、賢い選択だ。それを相手が逃がしてくるのかは別の話だ。
背中を向けて飛んでいるドラゴンに狙いを定め、俺は上がり続けている剛力だけでクラウ・ソラスを思いっきり振り下ろした。振り下ろした剣から斬撃が放たれ、闘技場が跡形もなくなるほどの風圧が数秒にわたり周りに吹き荒れている。
放たれた斬撃は見事に飛行しているドラゴンの背中に命中し、ドラゴンは背中から血を大量に流しているが、撃墜させるまではいかなかった。さすがはドラゴンと言ったところか、タフさが他の生き物とは比べ物にはならない。それでも飛んでいるのがやっとと見える。
ドラゴンにとどめを刺すべく、足に力を入れてドラゴンの元へと飛ぼうとする。だが、俺の身体に限界が来たようで飛ぶことができずにその場で膝を付いてしまった。ドラゴンの方もこの機会を見逃さなかったようで、俺たちの方に向けて渾身の火炎弾を放ってきた。後ろにフローラさまたちがおられるため、俺はその場にとどまるしかなく、ドラゴンの火炎弾を≪絶対防御≫で防いだ。
俺が火炎弾を防いでいる間に、ドラゴンは尻尾を巻いて逃げ出した。・・・・・・ここから追うことはできないだろう。ドラゴンが弱っている絶好の機会だが、その状態でもなおドラゴンを倒せるものはいないし、俺の身体がもう限界だ。こんな体たらくに自分自身に腹を立てた。〝終末の跡地〟にいた頃なら、あいつを倒すのに苦労はしなかったはずだ。
「・・・・・・ふぅ」
とりあえずこの場を収めることができたため、俺は≪魔力武装≫を解いてスキルの使用を止める。そうしないと身体が持たずに倒れそうだ。≪魔力武装≫を解いた俺の格好は、ドラゴンの炎で服を焼かれて上半身裸になっているから少し恥ずかしい気持ちがあるが、それ以上に逃がしたことへのいら立ちがあったから、恥ずかしさなど吹き飛んだ。
「申し訳ございません、フローラさま。ドラゴンを逃がしてしまいました」
俺が振り返りながら謝罪の言葉を述べるが、振り返った先ではフローラさまを含む全員が驚いた表情を浮かべている。どうしてそんなに驚いているんだ? フローラさまやラフォンさんたちは俺の強さを理解していたはずだが、それでも驚くほどだったのだろうか。
「どうしました? フローラさま」
「・・・・・・どうしました、じゃないわよ。あなたってあんなに強かったの?」
「え? はい、強いですよ。最近は戦闘技術を学んでいたので身体が鈍っていましたが、身体を完成させていれば、あの短時間であれを殺すことはできていました」
「そう、さすがは私の騎士だわ。その実力で私を守りなさい」
「言われるまでもございません。命をかけてでもお守りします」
驚いていた表情はどこにやら、フローラさまは誇らしげな顔をしておられる。ドラゴンを逃がしてしまったが、それでもフローラさまの誇りになれたことは嬉しく思う。意外にも、俺が全力を出すことはこれまでになかったから、驚かれたのか。出す相手も、ああいう異物と戦う時だけだから見せないのも当たり前か。
ドラゴンというイレギュラーが騎士王決定戦に乱入してきて闘技場や周りの建物を破壊したものの、こうして騎士王決定戦は締まり切らない形で幕を下ろした。ドラゴンの件、神器の件、王女さまの件など解明することややることはたくさんあるが、今は俺が今代の騎士王になったことに大きな一歩を感じる。
ドラゴンが介入してきたから今回の騎士王決定戦が無効だと言われたら、俺は全力を出して国中を破壊しまくるかもしれない。そうならないように祈っている。
「あ、アユムッ!」
「ッ! 触るなッ!」
俺がフローラさまの元へと向かい部屋に戻ろうと思ったが、前野妹が手を掴んで俺を引き留めてきた。手を掴んでこられたことに鳥肌が立ち、俺はすぐに拒絶の意を示しながら前野妹の手を振りほどいて距離を取った。その俺の行動に、前野妹は何が起こったのか分からずに呆然としているようであった。
「アユム、どうしたの? もしかして、私たちと会うのが久しぶりすぎて緊張しているの?」
「本当にそう思っているのなら、おめでたい頭だな」
三木が前に出てそう言ってくるが、俺のこの態度を見てもお前たちに好意を抱いていると思っているのか? お前たちは一切俺のことを知ろうともせずに、お前たちの気持ちを俺に押し付けてきた。だから俺はお前たちが嫌いなんだよ。
「アユム、もしかしてこれらがアユムの言っていた女たち?」
「遺憾ながら、その通りです」
フローラさまが近くに来て小声で俺に問いかけてこられ、俺はその問いかけに頷きながら答えた。するとフローラさまは四人の姿をつま先から頭まで見定めるような視線を送った。そして、俺の前に出られて四人を見下しておられる。
「あなたたち、私のアユムにちょっかいを出すのはやめてもらえるかしら?」
「私の、って、アユムはあなたのではないでしょう?」
フローラさまの言葉に、三木は余裕の笑みを浮かべているが、声音は少しだけ苛立っているように聞こえる。おぉ、どうしてそこで苛立っているのかよく分からない。その言葉は当たり前のことだろう。
「いいえ、私のアユムよ? アユムの心も、アユムの身体も、アユムのすべてが私のものになっている。何ならアユムにここで忠誠の証でも見せてもらおうかしら?」
そう言いながら、フローラさまが俺の首に腕を回して三木たちの方を見ながら抱き着いてこられた。俺はそんなことよりも、忠誠の証が何なのか全く分からない。いきなりやれと言われても、何をして良いのか分からないぞ。
「そんなことあり得ないわ。アユムは私や、リサやチナ、ユズキのことが好きに決まっているわ。ふざけたことを言わないで」
三木は声音だけではなく顔も苛立った顔をしており、フローラさまを見る目は冷たいものになっている。そんな三木の視線をものともせず、フローラさまは不敵な笑みを浮かべていた。そして次の瞬間、フローラさまは背伸びをして俺の唇に自身の唇を重ねてこられた。
さらにフローラさまは俺の口腔に舌まで侵入してきて俺の口腔を犯してこられた。驚きはしたが、拒みはせずにフローラさまを受け入れて、フローラさまの舌を自身の舌と絡ませてフローラさまを味わう。俺の口の中はたぶん血の味が少しするから申し訳ないと思ったが、それでもフローラさまは気にせずに俺の口腔に舌を侵入させた。
しばらくしたところで、フローラさまは俺から口を離された。離れた際に俺の舌とフローラさまの舌で唾液の橋ができている。その橋が繋がった状態で、フローラさまは三木たちの方を向いて挑発的な表情をしておられる。三木たちに追い打ちをかけるのはよろしいですが、こんな大勢の前でディープキスを晒すのはやめてほしかったです。
「・・・・・・一体、何をしているの?」
そう言ったのは、生気のない目と無表情でフローラさまを見ている前野姉であった。前野姉はフローラさまの方に踏み出して、殴ろうとした。またしてもこいつらは俺の大切なものを傷つけるのかと思い、クラウ・ソラスを装備して殴りかかろうとしている前野姉めがけて剣を振った。
「そこまでにしてもらおうか。身内での争いは醜いぞ」
前野姉の拳と俺の剣はラフォンさんによって止められた。チッ、殺せるチャンスだったのに。だが、ラフォンさんに止められてはこれ以上どうすることもできない。
ラフォンさんの指示で、後片付けはこちらでやっておくとのことで俺とフローラさまたちは部屋に帰っても良いことになった。後日正式な騎士王の儀式をやるとのことで話は終わった。そう言えば、騎士王になれば何かしないといけないんだったな。面倒なことに。まぁ、でもそんな面倒なことではないだろう。
最後まで見てくださってありがとうございます。誤字脱字あればご指摘お願いします。
評価・感想はいつでも待ってます。よければお願いします。