2 転生
目を覚ますと、明るい部屋にいた。高い天井がみえたのでかなり広い部屋だと思う。
そして、起き上がろうとしてみようとしたが体に力が入らず、全く動くことができない。
(あ、そういえばトラックにひかれたんだったか。体が動かないほどの重症か。これは治るまで何か月かかるんだろな)
(一応目が見えるし指なんかは少しだけ動くからなおるとはおもうんだけどな)
そうやって考えていると俺の上に自分より大きい見た目は小学生くらいの女の子の顔が現れた。
「あ、ルーク起きてたんだ。お母さんルークが起きてるよ!」
(ルーク?誰だそれ。それにこの子お母さんと言っていたな、しかし俺にはこんなに小さい子は知り合いにいた覚えがないのだが)
「あら。ルーク起きていたのね。私がお母さんのメアリよ」
「私はミリア、あなたのお姉ちゃんよ。お姉ちゃんって呼んでね」
(お母さんとお姉ちゃん?どういうことだ。しかも名前的には外人の人なのか)
「お父さんはね今、外に出て魔物を倒してるのよ。夜になったら帰ってくるから待っていてね」
「ルーク、お父さんはねすごいんだよ!お父さんは冒険者でね、魔法を使って外の魔物たちをいっぱい倒してくれてるんだよ。それでね、魔法だけじゃなくて剣も使えて剣もとっても強いんだよ!」
「ミリア。そこらへんにしなさい。まだルークは小さいんだからわからないわよ。それにそんなに勢いよく話したら怖がってしまうわ」
「…はい。じゃあルーク、また今度いっぱい話すね」
(魔物がいて冒険者がいるのか?剣、魔法?何を言っているんだ?もしかして異世界にでも来てしまったのか?)
異世界系の物語は数年前くらいから杉山に勧められてよく読んでいたし、ゲームも異世界みたいなものだった。そのせいか、真っ先に出てきたのが異世界に来てしまったというものだった。
(いや、そんなことは実際あり得ない。あれは空想の物語だからこれはたぶん夢か何かだろうそれか事故で幻聴などの類だろう。)
そうやって動くこともできないし、考えるのも頭が痛くなってきそうなので寝ることにした。
「あ、ルーク寝ちゃった。」
「あら、寝ちゃったわ。ミリアが話しすぎて疲れちゃったんじゃない?」
「えー、違うよ。きっと最初から眠たかったんだよ」
そんな会話を聞きながら眠りに落ちていった。
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何か物音が聞こえてその音で目を覚ました。
「お、ルーク起きたか。俺はお前の父ちゃんのアレクだ」
(あ、次はお父さんが現れたな。てっきりもう夢は覚めている思っていたのにな。それにしても今俺はどういう状態なんだ?)
そんなことを考えていると、俺の体が勝手に宙に浮いた。それに驚いていると、
「よし、今からご飯の時間だからリビングに行くぞ」
今俺は、俺の父ちゃんことアレクが持ち上げているようだった。
(俺はこんなに小さかったか?やはりこれも夢だから持ちやすいように補正でもされているのか?)
そんなことを考えているとリビングについたようで話し声が聞こえてきた。
「あら、アレク、ルークご飯ができたわよ」
「お父さん、今日はお父さんがとってきたオークのシチューだよ!」
「そうか、美味そうだな」
(オークなんているのか。やっぱりここは異世界なんじゃないか?)
そんなことを考えているとメアリことお母さん俺を抱きかかえ哺乳瓶らしきものを俺の口に突っ込んできた。
「んぐっ!?」
中に入っていたミルクのようなものが口の中に入っていく。
(なんだこれは?ぬるいミルクのような味だが少し違うな何か満たされるような感じがするな)
「ルーク、いっぱい飲みなさいこれは魔力が込められているミルクなのよ」
「そうだぞルーク。これを小さいころに飲んでいると魔力の使い方がよくなるんだぞ」
「えー、じゃあわたしもちょうだいよー」
「だめだぞ。これは小さいころにしか効果がそこまでないんだよ」
「それにミリアだって、小さいころに飲んでいたわよ」
(魔力?魔法があるって言っていたし、魔力もあるのは普通なのか?)
そんなことを考えながら、三人の会話を聞きながらミルクを飲んでいると、
「お、ルークもうそんなに飲んだのか。じゃあこのオークでも食うか?」
「だめですよ、アレク。ルークはまだ小さいんですからそんなものまだ噛み切れませんよ」
そんな会話を聞いて、見てみるともうなくなっている哺乳瓶に気付いた。
そして飲み切ったと感じるとなぜか急に意識が遠のいていった。
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少し時間がたった後、誰かが入ってきた気配がして目を覚ました。
「あ、ルークも起きてたのね」
外はもう暗く電気などがないおかげで窓から入ってくる月明かりしかなくあたりはほとんど見えない。しかし、話しかけている声で入っていたきたのはミリアだということが分かった。
「ルーク、もう寝なきゃいけないんだけど、まだ眠たくないからお姉ちゃんがお話をしてあげる」
(俺はなぜか話すことが出来ないのにミリアは眠たくないので俺を話し相手にするらしい)
「ね、ルークこの前ね、やっと水魔法が使えるようになったんだよ。それでね今日、練習をお母さんと一緒にしていたんだけどね、これくらいの大きさの水球作れるようになったんだよ」
と、手で小さな円を描くようにしゃべった。
そんな感じでミリアは寝るまで話し続けた。今日あったことや、最近のことを話し続けた。
結局俺は話が終わるまで寝ることはできなかった。