4話
騒動から一夜明けた早朝のライジング国 ーーーー
「なんであのような者を配下にしたのですか」
ライジング国の第一王女マチルダは早朝から父と母に詰め寄っていた
「彼は落とし子なんだよ。お前も知っての通り我が国は落とし子様に大変な恩があるから無下にはできない」
「落とし子・・・」
落とし子とはある日突如として現れる人間を差しこの世界の外からやってきた者のことをいう。
ライジング国にとっての落とし子とは、先々代の王の側近として国に尽力し現在の繁栄を導いたとされる謎の人物である
ただし王族には正しい情報が伝えられていて、落とし子が善なるものであった場合無下にしてはいけないという掟が存在した
「マチルダちゃんカズマ君は悪い人ではないの。それにとっても強いん
だから」
マチルダは王妃である母親から出た言葉が信じられなかった。あいつが強いはずがない
「あれ?お母さんそのネックレスは」
母親の胸元には美しく大きな宝石が光っていた。それは今までに見たどんな宝石よりも輝いている。留学前にはもっていなかったはずだ
「カズマ君からもらった宝石で作ったの。すごく綺麗でしょ」
マチルダは将来のために知識の習得に励んでいるがその宝石は本に乗っていたどの宝石とも違う気がした
「・・・ところであいつは?」
王国に属する騎士はとうに起床し朝の鍛錬を行っている時間だがその中にあの男の姿は無かった
「カズマか?寝てるだろうな昼近くになれば起きるんじゃないか」
「!!!」
マチルダは電光石火のごとく部屋を飛び出した
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ドカッ!!
カズマの部屋のドアは王女の蹴りによって開けられた
「コラ!!いつまで寝てるのよ!起きなさい!」
「zzzzzzzzz」
「この・・・起きろ!!」
バリバリバリバリ!!
「ギャー!!!」
「ふん、やっと起きたわね」
「なんだどうしたんだ?とんでもなく体が痺れた」
「カズマ!とっとと支度しなさい」
飛び起きたカズマは腕組みをしたマチルダに気づいた
「キャー変態!人の部屋に勝手に入らないでよ」
カズマは毛布を体に巻き付け体を隠した
「何言ってるのよバカ!いいからとっととしなさい」
「一体何の話だ?」
「訓練に決まってるでしょ!他の騎士はとっくに訓練してるのよ!」
ハンッ!カズマはその言葉を鼻で笑った
「僕は騎士じゃない王直属の配下だ。騎士の規則に従う必要はない」
「なにを意味の解らない事を言ってるのよ!王女として命じます、今すぐ鍛錬に参加しなさい」
ハンッ!カズマはその言葉を鼻で笑った
「僕は王直属の配下だ。僕に命令できるのは王のみだ、君の権限では僕に命令することなど出来ない。王国規則を読みたまえ未熟者!ハーハッハッハッハッハハーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ブチッ!
「いいからとっとと行けーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
バリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!!!!
「ギャーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
全力の雷魔法を浴びたカズマは白目をむいて気絶した