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9、アルテミア、人を拾う

「テミア、ちょっとこっちに」


「なんですかお父様」

(テミアというのは私の愛称よ。悪くないでしょ、お母様が考えてくれたの)


「テミアも、もうすぐ4歳だ。剣の腕も、先に始めていたはずのジュピタ達よりも

上達している。おそらくフーがごまかして伝えてきたんだろう。まあ、それはいい」


(剣のスキルはないなんて言えない。前世から使えるなんて言えるわけない・・・)


「しかも「この剣短いわね」と、ふつうの兵士が使う練習用の木剣に向かって言っていたのも

聞き流すとしよう」


(あれ、前使っていた刀より全然短いのよね)


「重要なのは、剣の腕が上がったということだ。このまま模擬戦だけを続けてもいいが、

実戦経験を積んでおくのも悪くないだろう」


(まじめモードのお父様、なんか、かっこいいわね。素にもどると途端に

オヤジ臭くなるのはなぜかしら?)


「テミア、聞いているか?」


「きいてるわ」


「そこでだ、王都の外へ出ることを許可しよう」


「へ? ほんとにいいの?」


「ああ。だが、いくつか条件がある。

1つ目は、出かけるときは報告し、必ず従者を一人連れて行くこと。

2つ目は、遠出する時は必ず家族の誰かに相談すること」


「それだけでいいの? やった~ユリス、さっそく行くわよ。目的地は

東の森、レッツゴ~。あ、お父様、愛してるわ! 行ってきます~」


数時間ベールは動けなかったとか・・・



~~~~~~


「アルテミア様、よかったんですか? ジュピタ様たちを置いてきて」


「いいのよ。訓練ではいいところ見せられないからって、無理やりついてこようとして

ただけよ、きっと」


「マスタ前方、距離20、敵です」


「ッ、種類は?」

ちなみに、スラ子はアルテミアの頭の上でポヨンポヨンしてる。

最近の定位置らしい。しかも、寝るときの枕にすると最高だ。


「おそらくウルフ系かと」


前方からくすんだ白い色の狼が現れる。

「グルウウゥゥ」


「見えたわ、ノーマルウルフね。ユリスは手を出さないでね」


テミアが前へ出る。


ウルフもこちらの隙をうかがいながら近づいて来る。


両者の距離5


テミアが腰の剣に手を近づけようと動かしたその時


ウルフが今が好機とばかりに飛び込んでくる。


一閃


抜刀したテミアとウルフがすれ違いになる。


カチャ


「ウォ?」


「竜滅式一閃」


ブシャアア 


「楽勝だったわね。スラ子、吸収お願い」


スラ子がテミアの上から降り、ウルフに近づき吸収していく。

これはスラ子の新しい能力吸収だ。


【吸収】いろんなものを取り込むことができる。

生きているものを取り込むことはできない。取り込んだものを経験値に変換する。


「相変わらず、お強いですね。もう私よりお強いんじゃないですか? 自信なくしそうです」


「やーね、まだユリスのほうが強いわよ。そんなことより、先に進みましょ」


その先も、テミアがさっくり倒して、スラ子が吸収するというサイクルを

つづけレベルを上げていく。


「だいぶ倒したわね」


「倒しすぎなのでは? かれこれ50体以上倒してますよ」


「そうね、そろそろ帰りましょうか」


「ッ、マスタ、距離50のところに何かいます。この反応は人族でしょう

倒れていることもわかるのでお早めに」


「なんですって。罠の可能性がないとも限らないから、慎重に行きましょう」


「残り10メートル」


「いました。男の子?」


「男の子ね、私と同じくらいの。罠はなさそうね。

近づいてみましょう」


「アルテミア様、私が見てみます。キミ、キミ・・・

どうやら気絶しているようです」


「マスタ敵です。左右から来ます」

左右から三体ずつ、血のように赤くドロドロした不定形の魔物が現れる。


「チッ、ブラットドリンカーね。この子の血のにおい

を辿ってきたんだわ。ユリス、右お願い」


「はい、お任せください」


テミアは一気に勝負をつけるため、接近する。


「竜滅式横閃」


横薙ぎの一振り。それだけで、敵は上下真っ二つにされ息絶える。


「ふう」


一息つくと、ユリスの援護に行くため向き直るが


シャキン

「たいした敵ではありませんでしたね」


もう終わっていた。


「ユリスそっちも終わった?」


「ええ、それよりこの子を連れて森を出ましょう。これ以上の数で来られたら

護りながら戦うのは、さすがに骨が折れます」


(それでも、負けるとは考えてないのね)


「そうね、この子のことは森を出てから考えましょう」


「マスタ、吸収が完了しました。いつでも行けます」


「じゃあ、行くとしましょう」

さて、男の子をひろったテミアこの後一体どうなるんでしょうか?

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