15、色々な視点
試合後、執務室で大人たちが話し合いをしていた。
「陛下、先ほどの試合どう思われましたか?」
そう質問したのは、リュウの父親で騎士団長のオーレリックだ。
「アイもすごかったが、リュウはあまり騎士としては見ない戦い方をしていたな」
「そうですねあの子はかなりの戦闘好きですしね。いきなりアルテミア様に
勝負挑んでましたし」
そう返したのは、メイド長のアイルストだ。
「まだまだですよ。息子は技を使ったのに、一回もあてられなかったんですから」
「みなさんそろそろ、現実を見てはいかがですか?」
セルトだ。ぐだぐだと現実を見ない元仲間達に、注意する。
「みなさん、アルテミア様の強さは知っておいででしょう」
「だってよう、セルト! ベールならともかく、俺アルテミアちゃんに勝てる
気がしないんだけど・・・」
「空中で、剣先止まってましたね。動いたと思ったらあの子、吹っ飛んで行きましたね」
「リュウの気配隠匿も年齢にしてはなかなかだったが、
テミアの場合、試合中みんなが注目していたのに、認識外に行ってたしな」
「そうだ! ベール、アルテミアちゃんが持ってた剣、あれなんだよ。めっちゃ長かったぞ!
しかも、空間収納みたいなとこから出てきたし!」
「あれな、俺も初めて見た。そんで空間収納なんて、テミア使えないはずなんだがな~。
セルト、何か知ってるか?」
「以前報告書をお渡ししたはずですが・・・」
「え? うそだ~マジで?」
「嘘ではありません。マジです。しかたありません、
剣に関してですが、アルテミア様がおっしゃっていたように、研磨と親方殿の合体作
〔黒緋刃〕です」
「親方どのっていうのは?」
「地王さまのことです」
「え? ちょっとまって、あれ以来、フーのところには行ってないんだけど」
「狩りのついでに行ったようです。空間収納についてですが、アルテミア様が
使えるわけではなく、スラ子殿が使えるようです」
「本当ですか、セルト。スライムが空間収納使えるなんて、聞いたことないのですが」
「ですが、実際使えているではありませんか。そうでした、その時
一緒にステータスを聞いていたようなので、報告しますね」
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名前;スラ子
種族;スライム
歳;2歳
レベル;10
HP;1
才能値;15
筋力;9
魔力;100
精神力;15
スキル
吸収 変換
使用魔法陣
空間
ーーーーー
「ステータス高くない?」
「高いですね、陛下・・・」
「高いな、ベール・・・」
「なんだ、二人して」
「「いえ、高いですね」」
「何が言いたいんだ?」
「まあみなさん、この話はこのぐらいにして、そろそろ重要な話に移りましょう」
「そ、そうだな」
「何の話でしたっけ?」「覚えてないのか? アイル」
※アイルはアイルストの愛称です
「他国からの密偵の話ですよ」
「ああ~」
そんな話をしながら、時は過ぎていく。
ここから、視点が変わります。
アルテミアの自室の天井裏に男が一人。
俺の名前は、ミック。帝国からやってきた密偵だ。
今俺は上司からの命令で、この国に新しく生まれたという、王女を見張っているんだが・・・
なんだあれは、強すぎではないか! とても五歳にはみえないぞ。仲間内でも話題になっている。
この間行われた試合だって、とても子供だとは見えなかったぞ。自分の役目も
忘れて、見入ってしまった。俺もこんな上司の下につけたらいいな~。
今の上司、成功は全部自分の手柄にして、失敗は押しつけて来るんだもん。
それに比べて、あの王女様は全部自分でやろうとするし、でも自分にできないことは
ちゃんと、人に頼めるような人だし。この間料理作ってたけど、すっごいおいしそうだし。
寝返っちゃおうかな~。でも、ばれたら絶対殺されちゃうし、あきらめるしかないか・・・。
あれ? 急に立ってどうしたんだろう? お手洗いかな?
あれ? 違うみたい。なかいやな予感がする。いったん、撤退するか?
なんだ? 急に魔方陣なんか出して、あれって空間魔法陣じゃね?
急に魔法陣が天井裏の床に書き現れる。
!!やばい。
きづいた時にはもう遅い・・・・。
密偵さんどうなってしまうんでしょうか?




