13、護衛、入学に向けて
王の執務室に向かう女の子がいる。
銀髪金眼にして大きくなれば、誰もが振り向く程の美女になるであろう
ことが、容易に想像できる可愛らしさ。
白いワンピースを身にまとい、更に頭の上にはスライムが乗り、横には仮面をつけ
ミステリアスな雰囲気を醸し出している。
皆さんご存知、アルテミアである。
すでに誕生パーティから、数日たっている。
(何の用かしら。こんな朝っぱらから)
アルテミアは今ベールに、朝食を食べたら執務室に来るように呼び出されていた。
「まあ、きっと学園に入学するにあたっての準備とかよね」
「うむ、来たようだな」
「お父様、アルテミアまいりました」
執務室に入ると、ベールと執事のほかに騎士っぽい人とメイド長がおり、
その横には、それぞれの子供と思わしき男の子と女の子がいる。
「アルテミア」
「何でしょうか?」
「お前も、もう一月もすれば、初期学園に通うことになる。
そこで、お前に護衛兼友人役として二人の子供をつけることになった。
まずはお互いに、自己紹介といこう」
「アスト<<フォルス=アルテミア。よろしくね!」
「次、オーレリックのところから、自己紹介を」
「は! 金竜騎士団、騎士団長を任されておりますG・ソールド=オーレリック、と申します。
この子は、二男のリュウと申します」
(金髪碧眼、まさに貴族て感じがするわ。でも貴族特有のいやな感じはしないわね。
しかも鎧の隙間から見える肉体から、相当鍛えられていることがわかるわ。
騎士団長はだてじゃないてことね。レベルもお父様に並ぶほど高いわ)
「ソールド>>リュウ、といいます。誠心誠意、頑張りますので、よろしくお願いします」
(身長は私より低いかしら。男の子の中では、低いほうね。
同じ金髪碧眼だけど、なんか、可愛い感じね)
「リュウね、よろしくお願いするわ。がんばって護ってね☆」
(あ、顔が赤くなった。可愛い)
「よし、では次、アイルスト」
「もう既にご存知かもしれませんが、チャネル=アイルストです。
メイド長をしています。お見知りおきを」
(群青色の長い髪をサイドテールでまとめていて、清楚なイメージを受けるわ。
私もたまに、メイドさんに指示を出しているのを見たことあるわ)
「チャネル家長女、チャネル<<アイと申します。アルテミア様、お噂はかねがね伺っております。
かなり、お強いそうですね。この後、お手合わせ願えませんか?」
(アイルストさんと比べて、かなり活発的な印象があるわね。髪色もスタイルも
一緒なのに。しかも、いきなり勝負吹っかけてきたし・・・いいじゃない)
「こら! いきなり何言ってるの! 申し訳ありませんアルテミア様」
「相当自信があるようね。いいわよ、受けてあげる」
「やった」
「申し訳ありません、陛下」
「よいよい。テミアも相手がいなくて魔物狩りしかすることがなかったから、
ちょうどいい。そうだ、何ならリュウも、テミアと戦ってみてはどうだ?」
「ええ?」
「そりゃあいい! リュウ、お前もアルテミア様と戦って
当たって、砕けて来るがいい」
「ええ? 砕けるのが前提? なんですか~」
「当たり前だ。アルテミア様は強いぞ。まあ、戦ってみればわかる」
ということで、護られるはずの人と、戦うことになりました。
次回、戦闘回です