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永倉探偵事務所  作者:
20/43

20

「あたし、壊してないわよ」

「どうだか」

 双二郎はフローリングに座りなおした。自分と兄のために、グラスにワインを注ぐ。

 JJはさも当然のようにトマトジュースを知子とカノンに供した。

 カノンは一瞥したが、胡散臭そうに口をゆがめただけで手をつけなかった。

 ワインのグラスに口をつけながら、紀一郎はひらひらと手を振り回す。

「いいよいいよ。どちらにせよ修理代は端野さんに請求するから」

「兄貴、本当に端野さんをつぶしにかかってるでしょ」

「ちがうちがう。それが大人のナシの付け方ってものよ? 二十歳過ぎたら、双二郎も大人の話の仕方ってもんを学ばなきゃ。だいたいアルバム発表前のこのくそ忙しい時に、事前の連絡もなくチビッコを寄越すあたり、端野さんのほうだって、大人の話し合いする気満々って感じじゃない?」

「端野さん、もうそろそろ日本を出たほうがいいんじゃないかなぁ」

 JJがトマトジュースに口をつけながら天使のようににこにこと笑った。

「そうじゃないと、日本に迷惑をかけるよね」

「Jちゃんはもうそろそろ宇宙進出する予定ある?」

「とにかく兄貴、明日まで泊めて」

 双二郎は不毛な応酬を遮った。

「台風おさまったら出てくから」

「いいけど、寝室二つしかないよ? どういう編成で寝る?」

 紀一郎はにやりと笑った。

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