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38話 マリーは交流を始める



 ゴブリンそっくりな人間・・、ゴプリン族。


 彼らがニョーデル村の近所に住みついてから数日が経っているけれど、今のところ村長たちが心配したような問題は特に起こっていないみたい。


 いや、むしろ何も起こりようが無いのが現状だ。



 なぜならお互い全く関わっていないのだから。



 それはシールが持ってきてくれたペコロン茶を飲んでいた昼下がりのことだ。

 イズディス村長が相変わらずプルプル震えながら私達の元へやってきた。


「ゴプリン族に会えない?」

「ああ、そうなんだよ。

 僕も話がしたくて何度か訪ねているんだが、何故か川原には誰もいないんだ……」


 頭痛を抑えるような仕草をしながら村長は困った表情を浮かべている。

 おかしいな、私が行った時はそんなことないのになぁ。


「ゴプララと遊ぶために何度も行ってるけど毎回普通にいるよ」


 だよね? とローズやシール、サリーちゃんの方を見ると全員頷いてくれた。


「タイミングが悪かったんじゃないの?」

「それならいいのだけれど……」


 何か思い当たることのあるのか、村長はいまいち歯切れが悪そうに続けた。


「今まで彼らは他種族に迫害されて生きてきたんだ。僕のような大人からは特にね。

 だからおそらく僕は避けられていると思うんだ……」


 村長自身も見た目がゴブリンだから彼らに対して身構えてしまっている部分があるらしい。

「人のことは言えないけどね」と苦笑いしていた。


「だから彼らと対等に話せるマリー君にお願いがあって来たんだよ」


 そして村長は申し訳なさそうに私へある相談を持ちかけたのだった。






「ギャギャ、オマエがしばらく村とゴプリン族との連絡役になるゴプか?」


 ゴプリダに伝えたのは私が村長に依頼された内容だ。


 いつもの私なら『コーカン』と言い出すところだが、今回は無しにした。

 ゴプリン族を連れてきたのは私だし、何よりゴプララがやっと見つけた父親と安心して過ごせる場所を守ってあげたいからね。


 すると族長のゴプリダはいつものように陽気に笑っていたよ。


「ギャギャギャ、助かる。でもこればっかりはすぐには無理ゴプ。

 ゴプ達は今まで周囲に怯えて暮らしてきた。今まで警戒してきた相手に対して、いきなり仲良くするのは難しいゴプ」

「でも私とは普通に話せてるよね?」

「オマエがいるのなら別ゴブ。

 攻略本の件が解決した上に、ゴプ達はまだエルフ族には騙されたことないからな!

 ゴプ達は綺麗好き。まだゴプ達を襲ったことのないエルフ族は綺麗だから平気ゴプ」


 ゴプリダは嬉しそうに私の肩をポンポンと叩いていた。


 えへへ、信頼されるのは嬉しいけれど、エルフ族は引きこもりだからそもそも外で会う機会が無いんだよね。エルフ族の出不精が初めて役に立ったぜ。


 でも言わんとこ。

 私は空気を読むを習得済みなのだ。


 都合良く掲げろ種の誇り。

 マリーベルはエルフ族で功を奏したよ!






 とにかくこれで私は正式にゴプリン族との連絡係に就任した。

 メンバーは私を隊長とした以下の四人だ。


 それぞれ理由は違うがゴプリン族からあまり警戒されていないのが特徴である。


 綺麗な料理でゴプリン族をもてなしたローズ。

 ツルではあるが、ペタではない。


 聖剣でツルペタ断面を量産したシール。

 ツルであり、若干ペタである。


 唸る幼女馬乗りリラクゼーションのサリーちゃん。

 パーフェクトなツルペタボディのおかげでこの度は副隊長に任命された。

 ほっといてもゴプリン族が群がる有望株だ。


 あとついでにワット。


「俺の説明だけ雑だな!?」


 まあ、ゴプリン族には私に次ぐ功労者として認識されているので信頼されているようだ。

 ちなみにツルでもペタでも私は興味無い。


 あと何故かワットのことをゴプララが遠くからポーッと見つめているのだけれど、どうしてだろう?




 気になることはあるけれど、これから新種族との共存がスタートだ。


 突撃、となりのゴプリン族。

 マリーベルは交流を始めるよ!



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短編をupしました。暇つぶしにどうぞご覧下さい!
マリーベルと同じくギャグ要素多めの作品になります。
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異世界に転移した俺はカップめんで百万人を救う旅をする

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