prologue
少年の瞳に映るわ深紅に染まる世界、ほんの10分前には活気で賑わっていた村は黒き龍に焼き付くされた。周りは村を護ろうとした衛兵や魔導師、逃げ遅れた村人の鮮血と黒き龍の口から放たれた地獄の業火で一面が紅く染まっている。周りに聞こえるわ一撃で死ねなかった悲しき人の呻き声。呻き声をあげるものは幼き少年の目から見ても重症で助からないことは容易に理解できた。一撃で死ねた人たちは逆に幸せだったのでは?と思うほどひどい有り様だ…少年は目の前にぐったりとする自分の母親だったものに優しくキスをして頬を濡らす
「母さん…俺さ…絶対に強くなるからさ?安心してくれよ?一人でも…一人でもあの黒い龍にも負けないぐらい強くなるからさ!安心して待っててくれよ!」
そう言ってくしゃくしゃに顔を濡らして笑顔をつくる少年の心は…人一倍優しく、純粋で強き心を持っていた。しかし、だからこそとても儚くて脆いものでもあった。
「…××なさい!起きなさいってば!もう、これでどうだぁぁあああ!!!」
「ん?ちょっ!?」
少年が寝ぼけ眼を覚ますと目の前には茶髪の長い髪をポニテールに結んだ見慣れた少女の巨大なハンマーが今にも少年の命を奪おうとしているとこだった
少年は首を横にずらすことでギリギリハンマーの打撃部分をかわす
「くそぉ、やっぱり私じゃ当てれないのかなぁ…」
「おい、待て!当たってたらいきなり俺の学園生活終わってたからな!?入学式から幼馴染みに寝込みを襲われて死ぬとか笑えないから!!!」
「うっさいわね!男ならごちゃごちゃ言わないの!どうせ当たらないんでしょ!?」
「んなわけないだろ!?」
「えっ??男じゃなかったの!?」
「そっちじゃねーよ!!!」
寝込みを襲われた少年ことガノンは今日からこの魔法戦士育成学校の生徒になれることが幼馴染みのマリーと決まっていた
今日は学園の適性検査、クラス編成と最後に始業式と入寮が行われる予定となっており、行事が目白押しとなっていた。なので適性検査が始まるまでは校庭で日向ぼっこでもしようと思い寝転がっていたらいつの間にか寝ていたらしい
「って、それどころじゃないだった!そろそろ始まるらしいから急いで着いてきて!!!」
「ちょっ!?もうそんな時間なの!?」
「えっと…この学園はA~Eのクラスにランクづけされて別れているのは皆さんもわかっていますよね?なのでこれから魔力検査、体力検査、筆記検査、面接により皆さんのランクを決定したいと思います。」
俺とマリーの二人は校門の前で緑色のスーツと赤い眼鏡が特徴の女の人が喋る集団に走って近づいていく
「おいおい、いきなし女連れで遅れてくる馬鹿がいるなんて驚きやのぉー。わい…あんまりこの学園なめてっと痛い目あうで?」
集団に近づくといきなり黄色のバンダナを頭に巻いた細身の男がガノンに話しかけてくる
「うっせーよ。俺はこの学園で最強になるために来てんだ、てめぇが誰だか知んないが、そこら辺の雑魚と一緒にしないでくれるか?」
「ほう、口だけは達者やったのか?精々お前も頑張るこっちゃの?」
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最強を目指す俺は出来損ないクラスいかがだったでしょうか?
この後書きを見てくださった読者様は恐らく本文を見てくださったと思いますが少しでも面白いと思ってくださる人がいてくれると作者は嬉しいです(笑)