メール
次の日も朝からメールは届いた。
《おはようー!昨日はありがとう。行きたい所見つけたよー!!また夜にモシモシしようねっ!今日もお仕事行ってらっしゃい。タクちゃん大好きだよ!》
美咲からのメールを見てオレは仕事を始めた。
仕事中もケータイはピンクに光り、美咲からのメールがたくさん来た。半月過ぎた頃からちょっとずつ淋しそうなメールも届いた。あと何日…とか、もっとそばにいたいな…とか。
でも美咲は美咲から言い出した約束を守ろうと頑張って、《最後は笑顔でお別れするもん》なんてバカなメールも送って来た。
夜になってオレはまた美咲と電話をした。毎日電話をしてるのに、毎日違う話しをしてとても楽しかった。美咲の声を聞くとオレは落ち着いて、いつも元気をもらえた。
『そう言えば、デートで行きたい場所ってどこなん?』
『んー海行きたい!』
暑いって言ってももう夏は終わったのに、美咲は海に行きたいと言い出した。
『何で?』
またドライブでも行きたいのかと思ってオレは聞いてみた。
『美咲のね、待ち受けが砂浜の写真になってるんだけど、キレイだからタクちゃんとも行きたいのっ!』
そう言えば美咲のディスプレイにはキレイな海が写っていたっけ…
ふと思い出した。
『わかった。海かぁ…そんなにキレイな海は無いかもしれんで?ちょっと遠いかも知れんけど、行ってみるか!!』
オレは頭の中で、この辺りの海を浮かべて1番キレイな海に連れて行ってやろうと思った。
『やったぁー!!写真いっぱい撮ろっと!!』
いつもの喜んでいる美咲がいた。
今日も1時間程話しをして電話を切った。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《おはようー。明日はデート!!!楽しみだなぁー!!タクちゃんあと1日お仕事頑張ってね。大好きだよー!!》
また朝が始まった。そしてメールを見てオレは仕事についた。
来週は祝日があるせいか仕事が忙しかった。ほとんど休みなく働いて、気が付けば夕方になっていた。
今日は美咲からのメールがほとんど読めなかった。ケータイを取ってみると美咲からのメールが6件溜まっていた。
…こんなにメールを送ってくるなんて、美咲も暇だな…そんな事を思いながら、メールを読んだ。オレは美咲からのメールを見ると少し疲れが取れた気がした。
《ごめん。やっと仕事終わったわー。今日はさすがに疲れた!すぐ帰るからまた夜に電話しような。》
オレは今日初めてメールを送った。美咲はオレからメールが来ない事に、少し慣れてきているようだった。
《タクちゃん、お仕事お疲れ様!!今日は電話しなくてイイよ。いつも美咲と電話をしてくれてありがとう!ゆっくり休んで明日のデート楽しみにしてるねっ》
すぐに美咲から返信が来た。オレの事を気遣ってくれているメールが嬉しかった。
《ごめんな。ありがとう。じゃあ、9時に迎えに行くから!明日もモーニングコールよろしく!》
《うん!!!美咲の声で起きてねっ。タクちゃん大好きだよ!》
こんなメールのやり取りをして俺は家に帰った。
ご飯を食べて風呂に入って、やっとゆっくり出来る時間が出来たが、疲れていたせいかオレは横になった瞬間寝てしまった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※