第4話 部活 前編
入学して、そろそろ新しい学校に慣れてきたころ・・・
「おはよ~みんなぁ・・・。」
とてつもなく眠い桜が教室に入ってきた。
「「「おはよーー!!」」」
クラスのみんなが笑顔で応えてくれた。
どうやら、この数日間で桜はクラスの人気者になったようだ。
桜はヒョロヒョロと今にもコケそうな歩き方で歩いて席に着いた。
「あー・・・・眠いぃ・・・。」
桜が寝ようとすると隣の席から
「おはよう春咲。」
「あぁーおは・・・よー奇之塚ぁ」
「おい、大丈夫か?」
「うん・・・眠いだけぇ・・・。」
そう言って、眠り始めた。
「すぅーーーー・・・ぴぃーーーーー」
「おはよー桜ーって・・・え!?」
海がかなり驚いている。
「桜っ起きてぇー!!!今日から部活の体験期間始まるのに・・・」
楓がそう呟くと・・・
「ガバッ」
いきなり立ち上がって
「うん!!目、覚めた!今日も1日がんばるよーー」
数時間後...
「「「さようならー」」」
みんながぞろぞろと教室を出て行く。ほとんどの人が急ぎ足で。
「みんな、どの部活に行くの?」
桜が3人に廊下で聞く。
「えっとねぇ・・・私は軽音楽部に行ってくる。」
海がエアギターをやってみせた。
「私は・・・コーラス部に。♪あ~~~~~♪」
雪がキレイな声をだした。
「私は弦楽器部に行くよ?」
楓は手に持っているヴァイオリンのケースをみせた。
「へぇ・・・みんな中学の時と同じ部活なんだね。」
「桜はどの部活?」
「私も・・・・中学とおなじく吹奏楽部だよ。」
桜はみんなに楽器ケースを見せた。
「じゃ、みんなバイバーイ!」
「「「バイバイ」」」
桜は猛ダッシュで吹奏楽部が専用で使える第5音楽室に向かった。
音楽室に入ると、部屋のあちこちにいろんな楽器がある。
桜はすぐさまピアノの横にいるフルートパートのところへ向かう。
「あのぉ・・・・」
「あっ1年生だよね?フルートパートに来てくれてありがとう。」
「えっと、体験なんですけど、中学の時フルート吹いてたんです。なので先輩にちょっと聞いてもらいたくて・・・。」
少し、照れながら言う。
「いいよ!!ちなみにソロコンテストは出たことはある??」
「はい・・・結果は金賞でした。」
「えっ!?スゴイ・・・。じゃあその曲を演奏してもらえる?」
「・・・はい!!」
桜はその場で素早く楽器を組み立て、先輩から借りたチューナーでチューニングして早速演奏を始めた。
♪~~~♪♪~~~
演奏の途中、徐々にはいってくる部員や1年生がみんな桜に注目していた。
その中に春亮と智梓もいた。
「・・・凄いね。桜ちゃん。」
「あぁ。まさかあいつが吹奏楽部とは意外だな。」
一通りの演奏を終えると周囲のみんなから盛大な拍手をした。
「凄いね!!!名前は?」
「春咲桜です。」
「桜ちゃんね。私は佐野瑠亜だよ。よろしくね。」
「よろしくおねがいします。瑠亜先輩。」
「吹部入るでしょ??多分自分の楽器をもってる子は優先的だからフルートパートだね。これからも頑張ろうね。」
「はい!!宜しくお願いします!!!」
桜はフルートがかなり上手いんです。
後半に続く...