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あの日の記憶  作者: 羽琉
26/29

第5話 多数のアクシデント 前編

   ザァァァァァァ... 




   ザァァァァァァ...




「あー。テンション下がるー。」






___今は6月。梅雨の時期が来て1週間ほどたった。






「そうだね。毎日雨降ってテンション下がるね。」




そして現在フルートパートは休憩中。


桜は頬杖をついて、ジーッと窓の外を眺めていた。


別にこれといっていい景色でもないのに、ずっと降り続ける雨をずっと見ている。


「・・・ですよね。なーんかジメジメして、湿気半端なくて。とくに木管楽器はデリケートだからこの時期は大変ですよね。例えば、クラリネットとか。」



「そうだね。クラリネットは木でできてるから、湿気とかとくに気をつけないといけなさそうだね。」




クラリネットはキー以外は木で作られているため、


こういうジメジメした時期はヒビが入ったり、直射日光に当たると割れたりするとてもデリケートな楽器なのだ。





「いえぇぇぇぇぇぇぇい!!!!!!!!」




おっと、どこからともなく声が。




もちろん桜でも瑠亜でも隣の準備室で練習しているチューバパートでもない。




ガララララララ  ドンッ!!!


勢いよく誰かがドアを開けた。



「桜っっ!!!!」




杏里だった。



そして桜は、まさか自分の名前が呼ばれると思っていなかったから凄くびっくりしている。




「聞いて!!聞いて!!聞いて!! 重大ニュース!!」




「うん。聞くからまず、深呼吸して落ち着こう?」




「スゥーーーーーー ハァーーーーーー。よし、話すよ。」




「OK。言ってみて。」




杏里がピアノの椅子に座って、桜と瑠亜が杏里の前にしゃがみこんだ。




「さっき、休憩中にノリで好きな人に告ってみたんだけど・・・」


なんと、恋バナだった。



「メールで?」



「うん。」



「でね・・・・・・・・・・」



そして一旦黙ってから




「・・・・・・・だって。」



大事なところが聞こえなかった。


「あ・・・ごめん。聞こえなかった。もっかい言って?」




「‘いいのか!?やったー!!よろしくな、杏里。’だって!!!」




「おぉー!!」「よかったね。杏里ちゃん」



杏里はキラキラ目を輝かせて、

ものすごくキャッキャ言いながら飛び跳ねてる。




「その子、めっちゃカワイイの!!もう、女の子みたいに。甘えてくるし もぅヤバイーーーー!!」



喜びのあまり抱きついた。

あまりにも力が強すぎたため桜は「ぐへっ」とか言いながらも質問をする。



「その カ レ シ は同級生なの?」


あえて彼氏の部分を強調させる桜。



「うーううん。1コ年下。中3だよ。」




まさかの年下に驚く桜と瑠亜。

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