第2話 吹奏楽部、春の合宿!! その③
瑠亜先輩とフルートパートの個室を探していると、
「佐野さぁーん??」
後ろから、瑠亜先輩を呼ぶ声が聞こえた。
振り向いて見ると、髪型は短くて背が私より少し高くてスタイルがいい子と、
髪型は長いワケではなく短いワケでもない中途半端な短さで、眼鏡をかけていて私と同じぐらいの身長の子がいた。
二人ともフルートを持っている。
「あ!!」
「あ。」
・・・この髪の毛短い子・・・。
「ゆっっっ友香!!」
まさかこの高校に居たとは・・・。友香は中学の時同じパートで、吹奏楽部の中では1番仲が良かった。
「わぁ。桜だぁ!!」
ビシッ!とおもいっきり指さされた。いつもやられることなんだけどね。
「今日はこのメンバーで練習するんだね?」
瑠亜先輩が友香たちを見て言った。
「はい。部屋、案内します。」
友香が「こっちです」って言って歩いていく。それに私と瑠亜先輩は着いて行った。
「ここです。」
案内された部屋の扉には、超分かりやすく、
‘冥星高・下理福条島高 フルートパート練習部屋’
と、手書きで書かれた紙が貼られていた。
入ってみると、もう既に人数分の椅子と譜面台が揃っていた。
机の上には新品に見えるメトロノーム。
・・・すげぇ。もうこんなに準備されてるなんて。
私達は椅子に座って一息ついて、
「じゃ、自己紹介から始めよっか。私は2年の佐野瑠亜です。パートリーダーの3年の人は登校拒否してるんで、私がパートリーダーみたいなカンジです。よろしく。」
この流れだと、私だね。
「私は1年の春咲桜です。友香は知ってると思いますけど、中学でもフルートはやってました。よろしくお願いします。」
次に友香が、
「谷川友香です。1年です。桜は知ってると思うけど中学でもフルートはやってました。よろしくお願いします。」
うゎ、友香さっき何気に私の言ったことまるまるパクったよね。
そして、もう一人の女の子が、
「2年の山伊若菜です。パートリーダーやってます。よろしくね。あ、ちなみに若菜先輩って呼んでね。」
自己紹介が終わったあと、「さ、やろっか。」と言ってのんびり練習し始めた。