第7話 桜の過去 後編
「あー。桜ちゃん、おはよー」
「おはよー雪!!今日も1日がんばろーね」
「うん。」
桜は毎日雪を見て思う。
(雪の笑顔、癒されるなぁー・・・。雪見てたらなーんか幸せになる)
雪の笑顔に桜もつられて笑顔になる。
「あっ!おーい桜ちゃーんおっはよー」
「っ!?(私を雪以外でちゃん付けで呼ぶ人は・・・)」
智梓がスキップで手を振ってやって来た。
「あ・・・伊集院。おはよ。」
「ちょ!さっきの子と全く対応が違うじゃないかぁ。怖いなぁ桜ちゃんは。」
頭をポリポリ掻きながら苦笑いで呟いた。
「えっと・・・海ちゃんと楓ちゃんと雪ちゃんだよね、桜ちゃんが仲良い子達。あの子達も変だよねぇー。桜ちゃんにだけ特別扱いしてる感じ。」
智梓の一言に桜は、
「・・・・・・・はぁ?」
声のトーンが低くなった。
「だーかーらー、他の女子とか男子とかは全く興味ない感じでなーんか、桜ちゃんにだけ特別にしてる感じなんだ。俺から見ると。」
「・・・・・・。」
その瞬間桜が自分の鞄を捨てて智梓のむなぐらを掴んだ。
桜の瞳はいつもの穏やかな瞳と違って、‘人を殺すような瞳’をしている。
「いつ皆が私を特別扱いしたって証拠が分かる? ねぇ?・・・・答えろよ。」
智梓の首が桜によって絞められてていく
「・・・・うぅ」
「おい!!早く答えろよ!それともこのまま首を絞められて死にたいか?」
「・・・そっ・・・それは・・・・やっやめてくれ・・・・」
登校中の生徒達が見ている。そこには海達と春亮もいた。
「・・・・・・・お前に何が分かる?今までの私達の過去を全部知り尽くしてでもいるのか?過去を知らないくせに知ったようなことを言わないでくれる?」
いつのまにか、桜は涙を流していた。
「海たちは中学の時に助けてもらった大切な大切な親友なんだよ。それを侮辱するなんて・・・」
桜は智梓の腰を思いっきり蹴り、1㍍ほど飛んで行った。
「・・・・・・・最低。」
そう言って校舎の方へ走っていった。
「・・・あーぁ桜怒らしちゃったね。しーらないっ」
「・・・春咲・・・・あれは・・・・。」
春亮は唖然。
「あのね、桜は中1のころは相当な不良だったの。」
海は重たい口を開いた。
「えっ!?あの春咲が・・・」
「今は全くそんな面影なんかないでしょ?けどマジギレすると自分を忘れて、中学の時の桜に戻っちゃうの。」
次に楓が桜の中学のころの過去を話し始めた。
「桜はいつも喧嘩してたり悪いことをいっぱいしていた。たとえば万引きとか、スリとかカツアゲとか。でも・・・ある日ついに警察に見つかった。」
楓は一瞬悲しい顔をするがすぐもとに戻って話を続ける。
「補導されて、警察署まで行ったらしい。そこには既に桜のお母さんと弟の奏太くんが居た。そのときにお母さんが言った一言が桜の運命を変えたの。」
「‘こんなことをして、天国のお父さんが喜ぶと思う?’って言ったの。桜はその日から人生が変わったらしい。」
「私はその時の桜ちゃんに助けられた。そのころ私はイジメにあってて、トイレで殴られそうなときに桜ちゃんが助けてくれた。‘この子は私の友達だ。・・・私の大切な友達をいじめるなんて許せない!’って言ってくれた。それから海ちゃんとも、楓ちゃんとも仲良くなったの。」
雪はとても嬉しそうに話す。
「・・・・そうだったのか・・・。」
地面に倒れている智梓が服をポンポンと叩きながら言った。
「あんた、まだ反省してないでしょ??もう知らないから。」
海たちはそそくさと校舎に歩いていった。
春亮もそのあとに付いていった。
またまた意外すぎる過去発覚!!ですね。