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最終話 無限に響き合う世界

アルティメス復活から一年後の春。


レガリア王国の王都には、かつてない活気が満ちていた。

「多世界協調大学」は今や、単なる教育機関を超えた存在となっている。

音の世界、静寂の世界、そして新たに発見された光の世界、時の世界、夢の世界——無数の異界との交流拠点として、毎日が新しい発見に満ちている。


大学の中央ホールでは、各世界の代表者たちが集う多世界評議会が開かれていた。

議長席にはアルティメスが座り、その周りをキールたちが囲んでいる。


「次期探索計画について報告します」18歳になったキールが立ち上がる。


この一年で彼の【エンボディメント】はさらに進化し、今では「可能性そのもの」を具現化することすらできるようになっていた。


「新たに発見された『記憶の世界』での調査が順調に進んでいます。

アリアさんの【レゾナンス】により、失われた歴史の断片を音として再現することに成功しました」


アリアは【レゾナンス】の能力を使って、古代文明の美しい讃美歌を会議室に響かせる。

その調べは参加者全員の心を深く打った。


「素晴らしい成果ですね」アルティメスが穏やかに微笑む。

「それぞれの世界が持つ固有の価値を、こうして共有できることの意味は計り知れません」


リオンは多世界騎士団の副団長として、各世界間の平和維持任務の報告を行った。


ユーリは新開発の「世界間共鳴装置」の技術解説を行い、セレナは未来予知による次期交流計画の提案を行った。


ヴィクターは後進の指導者として、新入生たちの教育プログラムについて語った。


「フィオナさんの騎士団と連携して、各世界の文化交流を深めています」キールが続ける。

「特に今月開催予定の『響き合いコンサート』では——」


「あら、その話なら私からも」


会議室の扉が開き、フィオナが颯爽と現れる。

彼女は今や多世界騎士団の団長として、各世界の治安維持と文化交流の両方を担当している。


「各世界の音楽家、芸術家、学者たちが総出演する予定です。ハルモニアさんの指揮の下、カコフォニクスさんの編曲で、クワイエタさんの精神統制技術を使った、史上最大規模のコンサートになりそうです」


「楽しみですね」アルティメスの表情が明るくなる。

「私も創造の歌を一曲、捧げさせていただきましょう」


会議の後、キールとアリアは大学の最上階にある展望室で、夕日に染まる多世界の景色を眺めていた。

空には音の世界への虹色の門、静寂の世界への透明な扉、新発見の各世界への様々な通路が、美しく調和を保ちながら存在している。


「不思議だな」キールがつぶやく。

「最初は一人で抱え込もうとしていたタレントが、今ではこんなに多くの人と響き合えるようになった」


「あなたが一人じゃないって気づいたからよ」アリアが微笑む。

「そして私も、あなたや皆と出会えて、本当に良かった」


二人の前に、新たな扉が現れた。

先ほど発見されたばかりの「想いの世界」——感情や記憶が形を持って存在する、未知の異界への入り口だった。


「次はどんな世界が待っているかな」キールが興味深そうに扉を見つめる。

「どんな世界でも、私たちなら大丈夫」アリアが手を差し出す。

キールがその手を取る。


そして二人は、新たな響き合いを求めて、また一歩を踏み出していく。


背後では仲間たちが微笑みながら見送っている。


リオンは剣を磨きながら「今度は僕も一番乗りで行くぞ」と呟き、ユーリは新装置の設計図を広げながら「面白いデータが取れそうだ」と研究者の目を輝かせている。


セレナは「きっと素敵な出会いがある」と予知し、ヴィクターは「また新しい挑戦だな」と腕組みしている。


フィオナは「危険があったらすぐに呼ぶのよ」と姉らしい心配を見せている。


遠くの音の世界では、ハルモニアが美しい見送りの歌を歌い、カコフォニクスが威厳ある壮行の楽曲を奏でている。


静寂の世界では、クワイエタが心からの祝福を静かに送っている。


そしてアルティメスは、創造王としての新たな力で、二人の冒険を見守り続けるのだった。


世界は響き合い続ける。

心は響き合い続ける。

愛は響き合い続ける。

創造は響き合い続ける。


エンボディメント・レゾナンス——それは創造と共鳴の永遠の物語なのだった。


そして物語は、無限の世界での新たな響き合いを求めて、今もなお続いている。


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