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1話 浄魔師

 この世ならざる存在、妖魔。

 いつしか奴らは人の世に居着いてしまった。

 世が維新を経て大正に移り変わり、あの大震災から復興してきた大正二十三年になってもそれは変わらない。

 妖魔と呼ばれる異形どもとせめぎ合う日本では、浄魔師(じょうまし)と呼ばれる人々が脅威から民間人を守っていた。


 朝焼けが近い街に影が走る。

 灰崎(はいざき)静乃(しずの)は兎の妖魔を追跡していた。


 相手は素早いが、追いつけないほどではない。

 複雑な路地を走り抜けて袋小路に追い詰める。


「覚悟しなさい」


 静乃は小袖から護符を取り出した。

 兎の目が赤く光る。急激に牙が膨れ上がり、静乃に噛みついてくる。


「もう手遅れよ」


 静乃はひらりと避けて、兎の鼻先に護符を叩きつけた。


「――あるべき場所へ還りなさい」


 兎は白い光に包まれ、粒子になって消えていった。

 静乃は小袖を直すと、息を吐いた。


「……襲撃が多すぎる。何かの予兆でなければいいけど」


 静乃の姿は朝焼けの街へ消えていった。

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