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異世界の魔女、現代でパチンカスになる  作者: ムタムッタ
打て。諭吉の続く限り

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Round 24 魔人戦③(承)魔人によるパチンコ攻略法『勝利の魔道』



「突き進むは魔の王道! 切り開くは勝利への道筋! 運命は己が手で掴み取る――――『勝利の魔道(イヴィル・ロード)』!」


 短い詠唱と共に、紫髪の魔人は魔法を放った。初戦の当てる魔法や、2戦目の時間操作でもなく、魔人が選んだのは──魔力による銀玉を土台とした道の形成。


 抽選口まで各釘の隙間にパチンコ玉が嵌り、わずかに浮遊しながらそのまま停滞している。アウト口までの落下箇所を全て最低限の玉数で固めた。


「まどろっこしい群など形成しない。重力魔法を応用した我が魔法で勝利を掴む!」


 玉の衝突で入れ替わりが発生していたり、全ての玉の浮遊をコントロールしているわけではなさそうだが、回転数はさっきの比ではない。1000円7回が何倍にも回っている。


 こいつ……ブドウを各所に拡散させやがったんだ、なんつー物理攻略……しかもこれなら詰まることもねぇ。


 感心しているうちに高回転中の魔人の台のレバーが振動する。金、金、金……少年は叫び、決戦リーチへと発展する。



 ◯いきなり回ってて草

 ◯調整入りましたぁっー!

 ◯500円で何十回まわってんだ??

 ◯店員さーーーーーんw



「これで心置きなくチャレンジできる、先に右打ちへ行くのはわたしだ!」

「ふむぅ、あくまで右打ちへ通すのは実力で挑むのか……我が部下ながら良い姿勢だぞぃ!」

「ご笑覧ください魔王様、必ずや勝利して見せましょう!」


 対して、こちらは入賞口の釘に玉を弾かれる。さらにはステージを舞う奴らすら、直下するも右に左に、アウト口へ誘われた。


「回らない、回らない! 回らない!! くそっ、どうすりゃいいんだ⁉︎」


 このままじゃ魔人に右打ちを先取りされるのは時間の問題だ。どうすりゃいい、もっと回すには、一体どうしたら……!




 …………もっと、回す?




「ちっ、またチャレンジ失敗か……だが何も心配はいらない。すぐに時短へ舞い戻ってやる!」


 魔人の声が遠い。隣で回転を重ね、初当たりを掴むことが気にならない。

 無意識に呼び起こされるのはあの日、あの時の……魔女の言葉。



『馬鹿正直に打ち尽くすなんて愚の骨頂。真の勝者はチェッカーまでの道筋を作り、すべてを抽選させます…………そうすれば、楽に戦えるでしょう?』



 回転寿司屋でも、似たようなことを話した気がする。


『くっそ~、回転数が多ければ抽選回数も多いことを忘れてたぜ……』

『今日は幸運の女神に恵まれませんね』


 そうだ、大切なのは回すこと。右打ちを掴めるかはその後のヒキだ。


『ならそのパチンカスの生き様を見てきたであろう? 自ずと使うべき魔法は分かると思うがのぅ』


 魔王がなぜ、あえて答えを教えなかったのか。それは俺が知っているとわかっていたんだ。


 道を物理的に塞ぐ必要なんてない。チェッカーまで玉が通るのを、ほんの少し手助けすればいい。答えは()()に見ていたんだ。


 わざわざ釘を曲げる秘術なんていらないんだ。なぜなら俺が求めた魔法は──!


「ようやく気づきましたか?」

「あぁ、やってやるよ師匠っ!」


 銀髪の魔女は笑う。

 そして再び当たりを掴む魔人の隣で、俺は杖を握りしめる。さっさと当てよう、本番は、右打ちを取ってからだ。


「いくぞ、最後の魔法だ!」


 覚醒へ向かう、第3の魔法──発動。




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