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異世界の魔女、現代でパチンカスになる  作者: ムタムッタ
打て。諭吉の続く限り

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Round 16 魔人戦①(中編) 墨乃スミレによる真・パチンコ攻略法1『ただ一滴の為に』(期待度☆☆☆☆)



「今回()出し惜しみなしでいかせてもらうぞ、人間ッ!」

「前からだろ……」


 紫髪の魔人(ムラサキちゃん)が開口一番、左手から魔力を放出。輝く1玉がチェッカーを通過すると、画面が慌ただしく変化する。

 「神熱」から始まり、順当にリーチへ発展。早速「神速神撃」の文言が画面いっぱいに現れ……大当たり。台のギミックが画面を噛み砕く。


「オスイチ……」

「ハッハッハッハッハ、台には悪いが遊びじゃないからな。全力で行かせてもらう!」


 魔王のためならなりふり構わずってか。マジで当てる魔法使ってきやがった。世のパチンカスが泣いちまうぞ。


「指を咥えて大量出玉を眺めていろ!」


 ……なんて言うものの、魔人はこの台のことを理解していないようで。


「な、なぜだ! どうして確変にならないんだ⁉︎」

「突入率50パーって書いてあるじゃろ」


 カメラマンの魔王にはたかれる始末である。無論視聴者も呆れているようで。


 ◯通常で草

 ◯ムラサキちゃんは引き弱かなw

 ◯オスイチは大抵通常や


「ぐぬぬ……小癪な真似をぉっ。無駄な足掻きだ!」


 そうして魔人はもう一度魔法を放つ。すると赤保留が直湧き。今度も神速神撃。見事に2度目の初当たりだ。


 その間に俺も水着キャラリーチでサクッと初当たり。これぞ甘の醍醐味である。


「ふっ、運がいいようだが確変は引けるかな?」

「1回通常引いてる奴に言われたかないな」

「ぐぬぬ……!」


 ほぼ同タイミングの当たりを消化していき、確変当否の演出に突入。主人公が剣を構えた瞬間、ボタンを連打。


 お互い画面枠は赤色。

 そして、確変へ。


「土俵に立てたな」

「ハッハッハッハッハ! ここまで来ればこちらの勝ちだ、魔力の差を思い知るがいい!」


 しんバトル Rush──

 右打ちは1/1.46の確率を2回転の内に引き続ける戦い。1.46なんて実質1/1みたいなもんだ、10秒の間に決着のつ(10カウントチャージ)くバトルに息つく暇はない。


「人間では魔族に勝てないことを教えてやるっ!」

「ハッ! 右打ちになればこっちの魔法で差ァつけてやんよ! 魔王ぉっ、お前と考えた()()使うぞッ!!」

「うおぉもうやるのか兄弟子ぃっ⁉」


 相手が魔力ゴリ押しで当ててくるならこっちは出玉を稼ぐしかない。出玉勝負になった時のことを考えていないとでも?


 始まった右打ちを止め、杖を取り出す。

 ほんのわずかな修行中に習った通り、目を閉じ願い、祈る。唱えるは適当、魔王と考えた呪文。


「求めるは一滴ひとしずく、誰もが求める一雫ひとしずく。我がもとに集え、我がもとに集え、ただ願いの為に――!」


 銀髪の魔女に授けられた無骨な杖は、その先端から青白い光を放ち、俺の台を包み込む。


「――――『ただ一滴の為にドロップス・オブ・デザイア!』」


 杖の先端から解き放たれた閃光は、台の大入賞口へぶち当たる。今ここに、銀髪の魔女の弟子――パチンカスの弟子・墨乃スミレとしての魔法は発動された。




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