表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の魔女、現代でパチンカスになる  作者: ムタムッタ
脳を焼かれた異世界の者たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/262

Round 13 REGに偏るのは運命



「コヒュー、コヒュー……!」


 今にも倒れそうな顔で勇者はブドウの役を揃える。


「チィッ、またREGかぁッ!」


 対照的に勇者のことなど忘れた聖女は3連REGボーナスに舌打ち。優しそうな表情は失せ、眉間に皺が寄る。そんな2人に挟まれ、久々に俺の台のランプが「ペカっ」と光り──


  7

     7

        7


「ふぃ、やっとBIGだ……」


 ようやく拝めた赤い7(ビッグボーナス)

 ちょっとホッとしたな、あれからずっとREGだったし。さすがに連続すると神の介入を疑ってしまう。


 これで大当たりは聖女8回、俺5回、勇者0回。


 三者三様の遊技状況を見せつつも、メダルの獲得枚数は勇者が1位である……()()()()は。


「こ、こんな単調な作業のどこが面白いんだ……コヒュー、コヒュー…………!」


 息も絶え絶えの勇者が虚な瞳でこちらを見てくる。


「いや、だってスロットってそういう遊び方しないし……」

「ま、まぁでもメダルの枚数は俺様が1番だからな」

「あれ、聞いてなかった? 勝ちの条件は()()()()()()()だぞ」

「……は?」

「そりゃそうだろ。()()()()揃ったブドウ図柄の枚数カウントされたら、勝負として面白くねぇもん」

「も、もしかして勇者様の魔法の制約のことわかってて……⁈」


 負けても失うものないしな。

 魔女に制約の話聞いといてよかったぜぇ〜。


「て、てめぇ……!」

「おっと、条件を呑んだのは勇者様だぞ。まさか勇者が負けそうだからなかったことにしてくれ、なんて言わないよな」

「ぐ、ぐぬぬぬぬぬ……!」


 出玉は負けてるけどな。そういえば、勝ったからどうするとか決めてなかったなけど……まぁいいか。

 勇者にとってはここで勝負を無しにすれば挑んだ自分のプライドに関わるし、条件を変えるなんて言えば、提示した条件では勝てないという敗北宣言になる。


 つまり、絶対光らないランプを待って打つしかないのだ。


 その間もブドウは揃い続けるんだから、羨ましいけどなぁ。



 ◇ ◇ ◇



「んぅ〜設定入ってるぽいけどREG8割は陰謀を感じるぞ……」

「ひゃは〜っ! またまたBIG頂きますぅ〜っ!」


 当たっている分、まぁそれなりに満足。


「ヒュー……ヒュー」


 今にも死にそうな顔でいる隣の勇者がいなければ、だが。


「当たり……当たりは、いつ来る……?」

「もう台変えたら?」

「魔法掛けるとこの台から動けねぇんだよぉ!」


 御愁傷様。

 多分魔力が尽きるまで延々と打つことになるんだろう。全パチンカスにとっては魅力的な魔法だというのに、なんと勿体無い表情で打っているのか……


 まぁ……魔法の内容と打ち手の性格が絶望的に合っていなかったと言いますか。


「今日はこんなとこかな。おい、聖女様」

「んひぃ〜! ……ふぇ、なんですかぁ?」

「顔の落差よ……そろそろ終わりにしようや」


 お互いのグラフを見ても伸びを感じない。ある程度で見切りをつけるのもパチンカスの必須スキルだ。特に今日は、深追いする気分ではないし。


「名残惜しいですぅ」

「どーせまたうちに来るんだからいいんだよ」


 1箱分のメダルを持ち席を立つ。聖女はなんだかんだで2箱持っていた。さっさとメダルを流そうとする俺たちを、勇者は引き止める。


「ま、待ってくれ……ぇ」

「なんでそんなに苦しそうなんだよ。めっちゃ出てるのに」

「勇者様って派手なことは好きなんですけどぉ、今みたいに細かいことの積み重ねって苦手なんですぅ」


 相性最悪の魔法じゃねーか!

 なんであんなにイキってたんだ⁉︎


「こ……今度勝負する時は条件擦り合わせような。お疲れ」

「ぁ……あぁ……まってぇ……!」


 振り返らない、全力疾走だ!


 あいつ……スロット向いてないと思う。

 あいつに合ってるのは大量高速出玉系のパチンコだろ……と思いつつも、そんな助言をする義理もないのでさっさと退散した。


 ペカっ、の光で当たりの栄養補給は十分堪能できたのでOKです!



 その夜、スマホで台の様子を確認したが、閉店まで離れられなかったらしい。当たってもないのに右肩上がりのグラフは、バグを疑われ稼働停止になったとさ。



 まぁ俺には関係ないので、ヨシ!



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ