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異世界の魔女、現代でパチンカスになる  作者: ムタムッタ
神(パチ)よ、聖女を救いたまえ
202/223

Round12 勝つか負けるか、聖女VS東京


「ぷぃ〜。お腹も落ち着きましたし、第2戦行ってみましょぉ〜!」

「元気な奴だ」


 ステーキ屋でたらふく肉を胃に詰めた聖女が、スロットの島を先行する。魔力では膨らむくせに、肉では体型が変わらない人体の不思議。


「でも残念ですぅ。魔女ちゃんも打てばいいのに〜」

「…………」


 2人でいるのには理由があってだな……午後もスロットを打つと一応、一応誘ったのだが珍しいことに断られたのだ。


『私は遠慮しておきます』

『なにゆえ?』

『エゴイストなので……私は、私のゴールで勝ちたいのです』


 そうして店内のパチンココーナーへ消えていった…………要するに新台のパチンコが打ちたいだけでした。しっかり昼飯は奢らされだけどな!


「まぁ……お守りは1人でいいや」

「お任せを!」


 ……ん? なんか勘違いされてねーか?

 まぁいい、次の戦いは…………と、店内を歩いて少し、聖女の足が止まった。


「んっ! こ、これは…………⁉︎」

「────ッ⁉︎」


 驚くも声が出ない。

 筐体下パネルにいる白髪はくはつの、妙なマスクをした少年に驚いたのではない。


 これは…………ヤバい。

 神々との戦いを終えた後にこれはヤバい。


 パチンコにて先にリリースされた東京のアレ、そのスマスロである。パチンコの方も荒いと言われ、言わずもがな、こちらも当然荒い。しかし打ち手が消えぬにはしっかり理由があるわけで。


「どうしたんですかぁ?」

「お前、財布の中身が消し飛ぶ覚悟はあるか……?」

「大丈夫です、いっぱいありますから!」


 …………そういうことではない。

 現代のスマスロとは、『勝つか負けるか』だ。あ? いつもそうだろって?


 違う。

 勝つか、財布消失(負けるか)だ。


 そんなことを言ったら午前のゴッドなイーターも似たようなもんだが…………


 ホクホクの大勝利か飢えに苦しむかの2択のような台…………と言えばいいか。どうして今回に限ってこんな饒舌になってるのかって、そりゃひっっっっっっっじょおーに理由は簡単。


 前にめちゃくちゃ負けたのだ。

 それも他のスマスロの比ではない。


 文字通りまさしく喰われた、とでも言っておこう…………グールだけに。


「なんだかよくわかりませんが、問題ないですぅ! わたくしの心が、この台を求めてますので!」

「よし、なら俺も腹を括ろう」


 主義刹那────聖女が挑むなら怖気付いては男が廃る。これが試練というならば、その先にある万枚を見せてくれ。


「神の加護は我らにありますぅ。さぁ、行きましょう〜」


 俺たちが喰われるのが先か、台をコンプリート(喰らい尽くす)のが先か……


 全ては神のみぞ知る。なんつって。

 いつでもATM行けるようにしとくか……


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