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異世界の魔女、現代でパチンカスになる  作者: ムタムッタ
神(パチ)よ、聖女を救いたまえ
192/205

Round 4 聖女暴走、なお有利区間は暴走せず


「うひ、うひひひひ…………」

「あーぁ、出ちゃった」


 全年齢を対象とした場合お見せできない顔を浮かべながら、聖女は上乗せ特化ゾーンへ突入した。こうなったらあとはひたすらベル、レア役、BAR揃いを引けばATは永遠に続く。


 さっきの魔法だか奇跡が続くなら、今日は聖女の奢りということになるが…………


「さてと」

「ん?」


 首を左右に傾けて、両手を組んでぐにゃぐにゃ回すと聖女は戦う目に変わった。それはまさに、プロ────


「奇跡は分岐するときだけ。どれだけ乗るかは己の運ッ!」


 レバー第1打、いきなりBARを狙えの指示が入る。イケメンならハズレもあるが、指示はヒロインからそして逆押しボタンひとつ目で、


『1確です!』


 BAR揃い確定の音と共に、聖女は滑るように図柄を揃える。


「1確ゥッ!」


 そしてゲーム数リセット、ハイテンションのまま上乗せは続く。ベルを引いて上乗せ、レア役を引いて上乗せ、はたまたさらに一確でBAR揃いで上乗せ。


「1確1確ゥッ〜」


 なんか2確で叫ぶ人いたっけかな…………

 つーか聖女の台めちゃくちゃ楽しそうじゃねぇか! こっちもう終わるぞ。


 結局150ゲームほど上乗せてATに戻った。そしてここから何が起きるかというと……


「6択がなんぼのもんじゃーい!」

「まだ続いてたのね…………」


 魔法も継続、6択チャレンジの成功と暴走ゲーム数上乗せのループが形成されたのだ。


 いくら6択を成功しようと、ゲーム数上乗せは聖女のヒキである。だが聖女の気合いが強まれば強まるほど……いや、グラフが右肩へ上がるほど上乗せは減っていき…………


「2300枚…………」

「なんか……意外と伸びなかったな」


 思ったほどの結果ではない。

 そういや最強特化ゾーンには入らなかったな。純増も2.2枚だし、こんなもんか……?


「ま、まだ1回目のATだっただけですからぁ〜。これから伸ばせば……」

「おっとととと!」


 急に力の抜けた聖女が、こちらへ寄りかかった。なんだどうしたと思えば、腹からものすごい唸る音。


「燃料切れですぅ〜」

「そ、そうか。じゃあそろそろ休日も終わりだな」

「いやですぅ! こんな身体にしておいてあんまりじゃないですか刹那さぁ〜ん⁉︎」

「誤解を招くような言い方をするんじゃない」


 ホントに聖女なのかこいつ…………

 まぁいい、負けはしなかった。腹ごなしくらいにはなったろうよ。


「とにかく、んなヘロヘロじゃ打てねぇだろ。飯行って、今度はパチ行くぞパチ!」

「りょ、了解ですぅ」


 負けはしてないが、勝ったと思ってもない。つまりノーカウント! ノーカン、ノーカン! プラマイゼロでは帰れない。ダブルヘッダーだッ!


 

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