Round 26 パチンカス、お借りします
「では、私はお嬢様の特訓に付き合いますので」
「おい、お前が寝返るのかよ⁉」
「私は常に誰の味方でもありません。励むことです、我が弟子よ」
「逆破門してやろうか」
「首を洗って待っていて、パティンケス様ぁ~っ!」
えぇ…………
もうメチャクチャである。もしかして魔女の目的自体、令嬢を自分の勢力に取り込もうとしていたんじゃないか?
「ではまた~来週の配信で会いましょう☆」
◇ ◇ ◇
「はぁ~い、みなさんこんにちは! パチンコ実践系配信者の白銀しろがねシルバです!」
で、今日はその『来週の配信』。
この前の冬〇ナといい、ここ最近まともにパチンコを楽しめていないぞ。楽しんでるの魔女たちだけじゃねぇか!!
そして魔女と令嬢は今日、最初からずっと光り輝いている。初夏のうっとうしい暑さに加えてこの眩しさ……なんともストレス。
「今日こそパティンケ――――」
「やかましい! さっさと勝負だッ!」
〇イラついてて草
〇画面がうるさい
〇画面越しに伝わるこの眩しさよ……
「ストレスが限界のようですね」
「誰のせいだと思ってんだ。打っているようで打っていない…………最近のパチンコには満足感がないんです。だから今日! お前達を倒しつつ! 脳汁を味わうって寸法よォ!」
今日こそ! 自分が打ちたい台を打ちたいだけ打つ!
満足できるまで打ち尽くせたら楽しいからな! その為にお前らパチンカス、お借りします。
「荒れてますわねぇ」
「それでも我々に付き合ってくれるあたり、人の良さが隠しきれていないのですよ」
「良い人、だろ!」
〇これは善のパチンカス
〇善っつうか光?
〇なんだよ光のパチンカスって
「まぁいいや、そろそろ普通に楽しませてくださいって話だよ」
「いつも楽しんでいるのでは?」
「…………否定できない」
ともかくこれがラストバトル。
最後の戦いは、もちろん脳汁溢れることが期待できる台である。
いざ入店。




