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相手して。寂しくて死にそうなんだ

作者: 秋暁秋季

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


R15の恋愛です。苦手な方、お気おつけ下さい。

全ての身支度を済ませ、後は寝るだけ、という時間に突如、インターホンが鳴った。

帰って来たのかも知れない。そう思って足早に玄関の鍵を開ける。現れたのは疲れ切った彼女だった。普段人前で見せる、明るく快活な表情はなりを潜め、夜の匂いのする。ネオン街ですれ違ったのなら、高級娼婦と勘違いしそうだ。

彼女は一度虚を突く俺の顔を見ると、そのまま唇を押し付けた。風呂上がりの湿気った髪に指を絡ませて、離れないように自分の方へと引き寄せる。固く閉ざされた唇を無理矢理舌でこじ開けて、ぴちゃぴちゃと絡ませてくる。酒の味がした。甘い、カクテルの味がした。

「悪いね、寂しくなっちゃった。あ、浮気とかじゃないんだ。本当さ、チャットと写真見るかい?」

「信用してるから、んなことすんな」

彼女は暫く俺の口内を堪能した後、鞄から電子端末を取り出した。今日撮ったであろう、女友達と楽しく笑っている写真だった。時間を見ると、お昼時と夜の七時頃。七時、と記載されている時間には酒を片手に、口を開いて笑っていた。

証明をしたいんじゃない。ただ余韻に浸りたいのだと思った。

「楽しかったなぁ……。本当に。行く時はあんなに憂鬱なのに、いざとなると馬鹿騒ぎするんだ。それで帰り際は何時も虚しい。離したくない」

「我儘極まりない。でも楽しかったなら何より」

「なぁ、慰めてくれよ」

彼女は甘えるように擦り寄ると、もう一度首に腕を絡めてきた。そのまま問答無用で袖を寝室まで引っ張ろうとしてくる。

「風呂入ってから」

背中を撫でても動こうとしない。ただただしがみつき、そのまま全体重をかけて甘えてくる。こうなるときっと梃子でも動かない。赤子の方がまだ聞き分けが良い。俺は一つの妥協案として、言い聞かせるよう頭を撫で回す。

「風呂入ってる間、浴室で話し相手になってやるから」

「じゃあ、これしたら入る」

彼女は項に顔を埋めると、一際強く吸い付いた。寂しい一夜の花が咲いた事だろう。

楽しい時間って本当にあっという間で、その後って本当に虚しいんですよ。

一人で部屋にいるのも、一人で帰るのも。


読者様

この子はメンヘラ?

(後から見ると情緒不安定に見えてきまして……。こんな質問ありそうなだなぁと)


作者

メンヘラなのかなぁ?

寂しくなくとも、気が向いたら積極的に仕掛けるタイプ。

上機嫌で唇かっさらって、笑って逃げそうな子です。

破天荒な子です。

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