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異世界太平記  作者: 淡嶺雲
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第36話 ゴブリン討伐⑦ 洞窟からの脱出


 坑道を一行は駆けていく。ライラが先頭で夜目を効かせ、マルティナとシャルロット、斎が追う。セリーヌは救助した女性に肩を貸していた。指環はその女性がつけている。彼女の安全のためである。


「先のところ、右に2匹、左に1匹いるのです!」


 ライラが叫ぶ。斎が呪文を唱え照明弾を投げる。


「見えた!」


斎が弓を取って射かける。うめき声が2つ上がる。討ち漏らしたゴブリンが一体切りかかってくるが、それをシャルロットは切り捨てた。


「先にさらに2匹! 弓を持っています!」


 ビュン、と音がする。


マルティナが即座に「(ムールム)」と言うと、洞窟の壁から石壁が生えた。矢を叩き落とす。


 一瞬何が起こったかわからないゴブリンであったが、そこに炸裂する弾が投げ込まれる。てつはうであった。


 瀕死の重傷を負った2体のゴブリンに止めを刺しつつ横を通り過ぎる。


 前が明るくなってきた。出口が近いのだ。


「ね、ねえ、まだ後ろからたくさん来てるよ」


 後ろからセリーヌが言う。


「数十匹はいそうだよ!」


「それだけいたら外に出ても追いつかれるわ!」


 シャルロットが叫ぶ。斎はセリーヌに叫んだ。


「小麦粉を空中にばらまいて!」


「え?なんて?」


 セリーヌは思わず聞き返した。


「小麦粉を空中にばらまくんだよ!」


「なんで!?」


「いいから!」


「はいはい、わかったよ! マルティナ、頼めるかな」


 セリーヌはそう言って女性をマルティナに預ける。そして今度は背負っていた袋の口を開くと、小麦粉をばっとばらまいた。あたりが白くなる。


 直後洞窟を飛び出す。同時に洞窟の左右に飛びのいた。ゴブリンの声が聞こえてくる。


 斎は叫んだ。


「フィアト・イグニス!」


 洞窟に火球が投げ込まれる。と、同時に見よ、火柱が洞窟の入り口より上がったではないか。


 そして爆発的に火は燃え広がった後、煙が立ち上る。


 一行は、腰を抜かして目を丸くする。ただ斎だけはしてやったりという風である。


「やった、成功だ」


「こ、これは……?」


 セリーヌが言った。


「こんな魔法、聞いたことないよ」


「ああ、ああ、あれか!」マルティナが膝を打った「ドワーフから聞いたことがある。空中に粉が舞うと炎が立つというあれか!」


「そう。粉塵爆発さ」


 斎は言った。


「さて、あらかた動けなくなったんじゃないでしょうか。火が消えたタイミングで確認しに行きましょう」


「そうね。確認しないと‥‥‥ああ、そうだ、もう指輪、外していいですよ」


 その声を聞いて女性が指輪を外した。そして傍にいたマルティナに指輪を渡す。


「ほら、もう大丈夫だから」


 それを聞いて女性はやっと安心したらしい。崩れ落ちるようにして涙を流し嗚咽した。マルティナはぎゅっと抱きしめた。


 ――この後、坑道の入り口付近には死んだゴブリン10匹および瀕死のゴブリン17匹を認めた。他にはゴブリンはいなかった。まだ息のあった17匹を殺すと、先の18匹と合わせてその耳を討伐の証拠としてそぎ落とし持ち帰った。


 すでにあたりは暗くなっていた。月が照らす中、一行は村への帰途を急いだのであった。

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