はじめに(ライプニッツのモナドについて)
ライプニッツのモナドについて
ライプニッツは17世紀ドイツの哲学者であり、
微分積分方を発明した数学者でもあるなど
後世に数多くの業績を残した万能の科学者です。
彼の単子論によると
世界はモナドという単子によって構成されており、
その中には我々人間のココロの部分も
含まれることになります。
世界と人間のあり方、その捉え方の提唱として
モナドは現在、哲学として有名ですが、
実際の彼は数学的見地による科学として
「モナド理論」を導き出しました。
一般的にモナドの概念は、
「全体を構築する、けれども全体の部分を持たない最小の単子」
として理解されています。
それは素粒子のように小さな形状を持つ「もの」ではなく、
数式による0へと限りなく近付く値(無限小)として
理解して 頂いた方が
より正しい認識でしょう。
このあたりの発想は、さすが微分積分の創始者
といったところです。
さて、これ以上の細分化ができない最小値であるからこそ
「モナドにはあらゆるものの部分がない」
とされています。
更にモナドは、それ自体で力学であるとも言われ、
これもモナドを数式として捉えると(常に最小へと向かう値)
十分に納得の出来る結末です。
ライプニッツは力学の結晶であるモナドを
世界の中心へと置くことによって、
この世界の正しい形を描こうとしました。
つまり彼が目指したのは大統一理論であり、
世界の存在証明、
あるいは神の存在証明だったのです。
そしてもう1人の天才アインシュタインが、
ノーベル物理学賞を受賞したのは
今から100年ほど前のことです。
彼は科学者として
現実的にモナドを探す探求を始めました。
これが素粒子物理学(量子物理学)の創立です。
ライプニッツのモナドは
「全てを同じひとつのもの」と結論付けていきます。
アインシュタインは
彼の「等価原理」によって
「同じもの」という現象を物理学的に証明しました。
彼らはまさに
同じものを目指していたのです。
いえ、本質的に現実を理解しようとする人々は全て
「同じ道筋を通る」ということでしょう。
では今回の私の作品
「モナドの声を聞く」の話です。
これまで私は自身のブログにおいて
この「モナドの正体」と向き合って参りました。
モナドの概念が
点の概念と同一のものであること、
更にその概念(実体)の根源には
宇宙に存在を続ける「無」があること、
その同一性と等価性を
私は主張します。
そう考えることによって
「存在する全てのもの」の本質が
明らかになるからです。
我々の宇宙には正解があり、
いえ、正しいからこそ
今ここに宇宙は存在します。
我々の未来の世界では、
哲学ではなく科学として
「存在するものでありながら、存在しないモナド」を
理解することになるでしょう。
何故ならモナドによる「世界の存在証明」は、
そのままで「人間の存在証明」、つまり
「人間がそれによってこの世界で自立する為の知識」
と成り得るからです。
ライプニッツ自身の目指したように
モナドは科学として
我々に理解されなければなりません。
たったひとつの事実から
全てのものが誕生したという本当の科学。
大統一理論。
そんな願いを託しながら
「モナドの声を聞く」
の連載をはじめます。
どうかよろしくお願い致します。