寒いブロローグ
ほのぼの。冷たい風が吹き渡りますね。
2月29日、俺は体を上下に揺らしながら、電車で学校に向かっていた。
車内の隅の席で、ぼーっとしばがら座っていた。
一応、目は開けている。つもりだったが、意識はほとんどない状態だっただろうか。
鞄はどこに置いただろうか。確か、足もとに置いただろうか。
少し、マブタを開け、鞄を探した。ん?ない?。。。。
と思い、少し本気で捜索し始めると、席のストーブの側にくぐりこんでいた。
今日の通学バックは真っ平ら、つーか、ぺしゃんこ。まあ、何も鞄に入れてないからな。
じゃあ今日は何で学校で行くのか…。さあ、なぜでしょうか。。。
今、俺は高校3年生。しかも今日は3月29日です。
受験真っ盛りでございます。
当然、今は家にこもってでも、必死に悪あがきしたいシーズンなんだが。。。
突然、知り合いからメールで学校集合司令がかかり、
断る勇気もなく、この中央線に乗ってしまったわけです。
まあ、別に今更勉強しても仕方が無いさ、と自分を説得し、ここまできたが、
やっぱ睡魔に勝てない。。。
今見えるのは、列車から見える土手と前の席に座っている可愛らしい老婆だ。
ん。俺、いつの間にグランマ・ラブ症候郡になったんだ。グランマラブ症候郡とは、ぐらんどまーざーらぶ、のことで。。。
まあそんなことどーでもいい。うん。いい。
今。乗り過ごすと遅刻だ。クニオ。
駅の名前がannounceされたら、立ち上がり、手すりを使い、右ターンし、飛び出し、階段を下る。
素晴らしい作戦だ、クニオ。
{大八王子駅ですー、列車の段差にお気を付けくださいー}
よし!右ターン!飛び出し!階段ー。と颯爽と駅を下るクニオ。 のはず。
気がついたら終点だった。
{お兄さんも乗り過ごしちゃったのかい?ふふふ}
とあの老婆が俺に向かってほほ笑んだ。
オーマイキュートローバー!
まあ、がんばってます。