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スカイズマイル  作者: 銀狼丸
プロローグ
8/9

三年、閃光、意識

マイルたちが通うようになったガルディア魔法学園には設立までの歴史がちゃんとある。


最初は大陸の中心であるエルディア王国にしか学校はなかったのだが、貴族が多く、庶民などがくる場所ではないという風潮が広がりつつあった。そのせいで読み書きが出来ない者や仕事を貰えず飢え死にする人々が増えてしまい困った王政は前線都市にはギルドや騎士団もあるのならば学園も作ろうとなり、ガルディア魔法学園が生まれた。しかもそれが大成功し、孤児などがいっきに急減。さらにそれを知った別の都市でも学園を作り始めた。


そんな始まりのガルディア魔法学園が人気な理由はこれだけではない。


学園では初級、中級、上級と三つに別れ、初級ではマナーや読み書きなどの常識、元素魔法と呼ばれる初級魔法の基礎、志望学科にもよるが剣術の基礎などだ。だがここにくるのは子供だけではない。自分たちの村を守るため、自衛のために農民や町民なども初級学科には数多くいる。しかも元から中級などの戦う事を目的としない者は中級試験を受けられない代わりに入学試験はなく、授業料も国で補うというのだ。孤児などのお金がない人のための対策だ。通っている途中にやっぱり中級を受けたいと思った人も初級で払う分のお金を払えば中級試験を受けられる。


そんなガルディア魔法学園の門をくぐる、月のような銀髪をたなびかせた少女がいた。


(ふぅ…弟の世話って大変だな……もう三歳だから少なくなってきたけど…」


勿論、銀髪の少女とはマイルだ。

入学試験や弟ができてから三年が経ち、一週間前には中級試験も突破した。

この世界についてや学園の歴史などあまり興味がなかった知識も勉強できてマイルは良かったのだがカイトとレーナは退屈そうだった。なので一週間一回だった模擬戦も次第に五日に一回……四日…三日と間隔が狭くなり、最終的にはほぼ毎日やっていた。


後は弟だが。名前は"シン"。一応、万が一のためにいろいろ転成者試験をしたが問題なかった。もし初めての弟が前世おっさんだったらショックで立ち直れない自信があった。マイルが言えたことではなかったが。好奇心が高く、椅子などの高い所に登ったり、アラスの剣で遊ぼうとしたりと大変だが三歳になると言葉も覚えてきたので後はマナーを教えるだけだ。


そして今に至るというわけだ。


中級になると本格的な対魔物の知識が教えられ実践もあるらしい。さらには中級クラスの中で順位もつけられ上位成績者がマイルの目標である上級クラスにいけるという制度らしい。


(まだまだ空騎士の道のりは遠いな……それよりスカートは精神的にきつい物がある…初級のように私服Okだったらよかったのに)


などと思っていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえる。


「マイルー!おはよう!」


「おはようございますレーナ、あれ、カイトがいませんね」


「お兄ちゃんが気になる?」


「…?えぇ、そりゃ"友達"ですから」


マイルがそう言うとレーナが悪戯っぽい笑みからいつもの元気な笑顔に戻る。


「友達…かぁ。まぁいいや。お兄ちゃんは今頃大急ぎで支度してるんじゃないかな?」


「まさか……寝坊ですか?」


「うん、アタシが呼びに行ったら慌てた声が聞こえたし。昇級式ってもうすぐ始まるでしょ?だから待てなくて先にきたって感じ」


今日のレーナはご機嫌がいい。そんなに初級クラスは嫌だったか…


「でもお兄ちゃんなら魔法ですぐにこれるよ…だって…ふふ」


「そうですね。あの《閃光》ですから…ぷふふふ」


カイトは初級クラスのころ、強化魔法と風法を応用した剣さばきで誰が言い始めたか、《閃光》という二つ名をつけられていた。マイルは目立つと二つ名をつけられると早めに察し、目立たない程度に努力していたためつけられていないと思っているが、その容姿から《銀姫》と呼ばれていた。マイル本人はまだ気づいていないが。


「お前ら……言いたい放題言いやがって…」


その声に二人ともビクッとし、声が聞こえた方向に顔を向けると少し息切れしたカイトが立っていた。


「うわっ、話をすれば《閃光》さn…痛い痛い!」


「その呼び方はやめてくれ……ほら、マイルからも…」


しかし、マイルはまだ笑っていた。

それから昇級式が始まるまで二人の頬が少し赤くなった。



----------



「ということで…中級試験をクリアした諸君らはガルディア魔法学園の生徒として……」


壇の上で秘書のような眼鏡をかけた女性があいさつという名の長い長い話をしていた。


(どこの世界もこの手の話は長いんだな……)


睡魔に負けないようにそんな事を思っていると右の肩に何かが乗る。何かと思い見て見ると、熟睡しているレーナだった。


起こそうと思い揺らそうとするが、レーナの顔を初めて至近距離で見てしまう。

綺麗な黒髪に整った顔立ちで日本ならアイドル級だ。だがそれを見てマイルは思う。


(……こんなに至近距離で見ても何にも思わないってことは俺も女になってきたのかな…)


最初は抵抗があった女性服もいまではスカート以外はあまり問題なくなってきた。

最近は身だしなみもルティアの指導のせいかもしれないがちゃんと気にするようにもなった。全て前世ではなかったことだ。

そんな事を考えてしまい、そのせいで話の内容は頭に入ってこなかった。








「どうじゃったか?」

「例の子供達ですか……難なく中級クラス入りです」

「そうかそうか。じゃが監視はまだ続けるようにしてくれ」

「はい、あの時の報告が間違いなければあれからさらに力をつけているでしょう。その力があれば国はさらによくなると思います。ですが……」

「うむ……そうならないことを祈るが…もしもの時は頼むぞ…」

「かしこまりました」




今回はマイルが女になっているのに設定忘れてない?と感じてしまったのでほんの少しいれて見ました。初級の日常は全てカットしましたが、番外編で書くかもです。あと一応今回でプロローグは終了です。


文法がおかしい、設定が矛盾しているなどがありましたら教えて欲しいです。すぐに直します!


高評価ブックマークありがとうございます!800pv突破しました。こんなに読んでいただいて嬉しい限りです。これからも目標に向かって頑張ります。

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