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スカイズマイル  作者: 銀狼丸
プロローグ
6/9

平和、試験、圧倒

※少し妹?弟?の存在をちらつかせるという変更

「お兄ちゃんバテてきたんじゃない?」


「そんな事言えるのも今のうちだぞ」


レーナが来てから早くも一年が経ち、入学まで明日となったマイル家の庭で黒髪兄妹が睨み合っていた。

勿論カイトとレーナだ。

実戦の時使えないと困るという事で最近はいつもの練習に模擬戦を加えた。だがその真剣さから事情を知らない人から見ると兄妹喧嘩にしかみえないだろう。


そんな雰囲気の中、カイトは練習用の木剣を腰を低くして少し息を切らしながら構える。一方レーナは店売りの杖を構え、

いつでも魔法を撃てるようにしていた。


レーナの得意属性は水でその次が珍しい事に火だった。男なら一度は憧れる対極属性が使えるのだ。


ピリピリとした雰囲気の中、先に動いたのはカイトだ。風法を足裏で使い加速することでレーナとの間合いを一気に埋めるらしい。だがそうはさせないとレーナは水法と火法で熱湯弾幕を空中に作り出す。勿論、模擬戦なので当たれば火傷するぐらいの熱さだろう。


そのまま突っ込むと思ったが、丁寧に全て剣で打ち払いながら進むカイト。それは日本ではもう人間やめてる?と言われかねない動きだった。その動きを実現させているのはカイトの憧れだった身体強化魔法である。レーナはまだできないが、カイトは毎日の努力のおかげで完全ではないが魔力に注意すれば使用出来るようになっていた。


突っ込んでくると思っていなかったレーナが離れようとするが一足遅く、既に目の前まで来ていたカイトの剣がコツンとレーナに当たる。カイトの勝ちだ。


ムスッとするレーナにカイトは近づく。


「また負けた……反則よ!反則!ただでさえ身体強化魔法で速いのに風法加速するなんて!」


「なにが反則だ。こっちだって魔力が滝のようになくなっていくデメリットがあるんだよ。あとレーナのあの弾幕も十分反則だと思うけどな」


などと模擬戦でわかった事を報告しあう二人。


「そんなにできたら入学試験は問題なさそうですね。試験内容も上級生との模擬戦だそうですし」


「あぁ、もしかしたら勝っちゃうかもな」


「アタシは勝つ気でいくけどね。負けるのは嫌だし…」


「俺に今負けたじゃねーか」


「あれは模擬戦だからお兄ちゃんが怪我しないようにしただけだもん…」


「試験の時も同じ条件だから関係なしだな」


と笑うカイトにまたムスッとするレーナ。


「ところでマイル、お前にも妹か弟ができるんだろ?」


「いいなぁ、アタシも妹が欲しい……マイル、アタシの妹になる?」


「それは遠慮しておきますが、楽しみです」


半年前ぐらいにルティアとアラスがほわんほわんした顔で妹か弟ができると報告してきたのだ。

前世でも弟か妹が欲しかったマイルはその日久しぶりに夜マラソンで全力疾走したぐらいだ。


(家族が増えるのかぁ、楽しみだなぁ。後は学校でもこの平和が続いたらいいんだけどな…っは!今のフラグか!?)



そんな事も思いつつも次の日、入学試験の日になった。


マイルは兄妹を待つため、学園前のベンチに腰をかけて朝ごはんのパンを食べていた。ここまではアラスが送って来てくれたが用事があると行ってしまった。


(んー!やっぱりパンに肉を挟むのはどこの世界でも最高だな!)


マイルがいい笑顔で食べるので、元の美少女ぶりも合わさり注目の的になっている事は本人はわからないままそのままパンを食べきる。


そこでちょうど良くカイトとレーナが手をふりながら走って来た。


「なんかお前の場所一瞬でわかるな……」


「なんでですか?」


「マイルが可愛いから!」


「へぇ、ソウナンデスカ」


スーッと流すマイルにレーナは疑問に思った事をカイトに聞く。


「えっ、もしかして自分の可愛さに気づいてない?」


「俺に聞くなよ…まぁ、多分そうなんだろうけど…」


「何してるんですか?試験始まりますよ?」


聞こえないマイルは首を傾げる。その動作にすでに何人もの人が倒れている事もしらずに。


「そうだな、早く行こうぜ」


試験会場の前にあるテントに番号札をもらい会場の中に入ると、同じ受けるであろう同い年の子供たちが真剣な顔で座っていた。因みにマイルは14、カイトは12、レーナは13だった。


「アタシちょっと緊張してきたかも……」


「勝つんだろ?」


雰囲気に少し緊張であわあわしているレーナにカイトは言う。


「勿論!お兄ちゃんとマイル以外には負ける気はないよ!」


「そこまで張り切らなくても大丈夫だと思いますけど…」


レーナ緊張も少し溶けた所で試験担当のメガネをかけた教師が時間がきた事を確認してから模擬戦での注意事項などの説明が始まった。


一部省略し説明すると


①上級生と戦うが実力をある程度見るだけなので魔法は初級魔法しか使わない。


②もし怪我をしても救護班がいるので問題ないが怪我に注意すること。


③杖と木剣を用意しているのでそれを使うこと。


などのわかりやすくシンプルな内容だった。


本気でこないなら本気にしてあげると隣で意気込むレーナが少し心配だが番号札書かれた一から順に試験が始まった。



----------



「では12番!」


「お、俺の番か」


「カイト、頑張ってくださいね」


「お兄ちゃん!ファイト!」


とは言った物の、先の入学希望者の戦いぶりから見て問題ないとは思う。初級魔法を使えない人もいるぐらいだった。


受け取った木剣を構えるカイト。あれは昨日のレーナとの模擬戦でも使っていた本気の構えだ。そこでマイルはオチを察した。


「お願いします!では先輩、本気でいきますよ?」


「ん?じゃあ僕も頑張ろうかな」


「では始めてください!」


その言葉が会場に響き終わるときには先輩の手から木剣がなくなりカイトの剣が首を捉えていた。

何を言っているかわからねぇと思うが私にもわからんと思ってしまうほど一瞬だった。


何が起きたか説明すると、①始めの合図がかかる。②いつも通り風法と身体強化魔法で一気に踏み出し間合い埋めた所ですかさず剣を振る。③さすがは上級生なのか、持ち前の反射神経で受け止めようとする。④っがしかし、先輩にとって予想外の出来事だったのか一瞬遅く、剣を弾かれカイトの剣が先輩の首を捉える。


その尋常じゃない動きに唖然とする会場。元々静かだったが、より一掃息をする音すら聞こえないほどだった。


「……みんなどうしたんだ?」


カイトのその言葉に時が止まっていたかの様な会場がざわめきだす。


「驚いた……今のは強化魔法だね?……あと何か別の魔法で加速していたのかな?その歳でそこまで出来るなんて…これは凄い逸材だぞ……先生、彼は合格です」


感嘆の声をあげながら先輩は言った。

そこでやっと正気に戻った先生がずれたメガネを掛け直し、次の番号を呼ぶ。


「……は、はい…えー、では13番!」


「お、アタシの番だね!さすがはお兄ちゃんだけど負けない様にしなくちゃ!」


そこまで頑張らなくてもいいと思う、マイルはそう思った。








本日二話目です。

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