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怠惰にVRMMO(仮)  作者: 耀
2/19

2話

「ただいま~」


 宗は家のドアを開け中に入る。


「じゃ、俺も帰るわ」


 そして、ネバーを玄関に置いた大和は隣にある自分の家に帰ろうとする。


「おう、もって帰ってもらってありがとな」


「どういたしまして。それと、AWOを始める前に公式サイト見とけよ」


「え~、めんどくさい」


「・・・そんくらい見ろよ」


 大和やまとの勧めにめんどくさそうな顔をするしゅうに若干あきれた表情をする大和。


「とにかく公式サイトは絶対に見ろ。じゃ、また後でな」


「うい~、晩飯にな」


 宗と大和の両親は仕事が忙しくほとんど家に帰ってこない。なので、家も近く家族間で仲のよい宗達はいろいろと助け合って生活している。そのひとつがご飯だ。毎日かわりばんこにご飯を作っている。大和は楓に任せっきりである。そして、今日は宗が当番だ。


「今日の晩飯なに?」


「う〜ん、AWOやるしあんまりこった料理作れないだろうからチャーハンかな」


「お前の作るものはなんでも美味いからな楽しみだ」


宗はかなり料理が上手くプロ級と言ってもいい。


「じゃ、行くわ。それと宗はこういうゲーム初めてなんだからいろいろ教えてやるよ。だから、メッセージ送るからAWOにインしたらメッセージ見ろよ」


「メッセージの見かたわかんない」


「…だから、公式サイト見ろ。そこに書いてあるから」


大和はそう言うと帰っていった。


「…りょ〜かい」


宗は大和が出ていったドアに向かって気だるげに言った。


そして、宗も靴を脱ぎネバーを落とさないように両手でしっかりと持ち自分の部屋へ向かった。


~~~~


「よいしょっと」


 部屋に着きネバーを置いた宗は少ししびれた手を振りながら机においてあるノートパソコンを起動した。そして、AWOの公式サイトを開いた。


「へ~、超高性能(ハイパースペックAIがゲーム管理してるんだ」


 公式サイトに書いてあるゲームの説明に宗は驚いた。


「それに、このゲームめっちゃ自由度が高いな」


 宗はAIがゲーム管理していることに驚いたがゲームの自由度にも驚いた。なんと、このゲームはシステムウィンドウによるステータスの閲覧、インベントリ、フレンドやギルド管理、ログアウト以外にシステムが関与していない。つまり、人との会話行動による人間関係、モンスターの行動のパターン化がない。そのほかにも多数ある。


「・・・これは現実リアルとほとんど変わりないな」


 そう宗が思うのも無理はない。なぜなら、運営はこのゲームのことを『もうひとつの世界』と表現している。なので、ゲームに『Another World』と付いている。


「まぁ、それはいいとして操作のやり方だよな」


 AWOに感心しつつ宗はシステムウィンドウの開き方について調べる。システムウィンドウはプレイヤーリングの付いている手を前に出し『ウィンドウ』と言うと開く。プレイヤーリングはゲームを始めるときにもらえる指輪でこれをつけていないとゲームをプレイすることができない。さらに、この指輪プレイヤーとNPCを見分ける証となる。このゲームのNPCは人とまったく変わらない。なので、プレイヤーかどうかを見分ける方法としてプレイヤーリングを付けているかどうかで見分ける。


「後は職業とスキルか・・・いっぱいあるな」


 このゲームは自由度が売りなので職業は50以上、スキルは100以上ある。その中から自分に合うものを選ぶので他人とかぶることがまずない。なので、公式サイトには大量の職業説明とスキル説明がある。それを見た宗はかなりめんどくさそうな顔をした。


「職業はこれにするか」


 かなり大雑把おおざっぱに職業を見た宗は一つの職業に目をつけた。それは召喚士サモナーだ。なぜ召喚士を選んだかというと召喚したモンスターにいろいろなことをやらせて楽をしようと考えたからだ。


「それとスキルか・・・言語関係のスキルとかあるかな?」


 宗が本を読む上でいつも思っていたことがあった。それは、外国の本が読みたい。そのためには文字が読めないと意味がない。だが、宗は他国の言語を覚えることがめんどくさかったので読むことができなかったがAWOではスキルがあるのではないかと宗は考えた。


「・・・っお、あった」


 スキルを調べていると言語系という欄があった。そこには魔物言語、妖精言語、竜人言語、神族言語、魔法言語の5つがあった。


「この5つにするか。ちょうど5つだし」


 ゲームを始めるときに5つスキルが選べるので、宗はこの5つの言語系スキルをとることにした。


「・・・他見るのめんどいしそろそろはじめるか」


 宗はそう言うとPCの電源をきった。そして、紙袋に入っていたネバーを取り出した。


「えっと、これを頭につけて電源を入れたらいいのか」


 一緒に入っていた説明書を読みネバーを頭に付けベットに横になった。


「よいっしょっと。これで電源をいれてっと・・・」


 電源を入れて少しすると寝るときのようにだんだんまぶたがさがっていった。

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