19話
「・・・ありがとうございました、シュウ様」
ギリムは少し涙声になりつつシュウに向かって頭を下げた。
「ギリムさんはこのために俺達をここに連れてきたんでしょ?」
シュウのどこか確信した物言いに顔を上げたギリムは申し訳なさそうにしていた。
「申し訳ありません、もしかしたらシュウ様たちならばソーン様を救えるのではないかと思いましたのでこちらにお招きしました。しかし、この家はシュウ様がおっしゃった条件に合致しているのでご容赦ください」
「・・・まあ、いいけど。それで、この家もらってもいい?」
「はい、この家はご紹介した他の家と違い王家が管理していたので今すぐにでもお住みになられても問題ありません」
「それじゃあ、この家もらうね」
シュウはそう言うともう一度自分の家を見た。和と洋が一緒になったその家は違和感を感じさせないつくりをしており庭には先程シュウによって花を咲かせた桜が生えている。
「それでは、こちらが家の鍵になります」
シュウが家を見ているとギリムが鍵を渡してきたのでシュウはそれを受け取る。
「では、私は城のほうへ報告をしなければなりませんのでこれで失礼します」
そう言うとギリムはそそくさと帰っていった。
「じゃ、さっそく中に入るか」
「はい」
シュウは玄関を鍵で開けると中へと入っていった。家の中は王家が管理していただけありかなり綺麗にしてあった。確かにこれなら今からでも住めるだろう。
「これは、掃除する必要がありませんね」
「そうだね。それなら、部屋を確認しよっか」
シュウとエルは部屋を確認するために歩き始めた。
「・・・かなりいい家だね」
シュウとエルが部屋を確認した後シュウがそうこぼした。部屋は畳が敷かれている部屋が一つと洋風なリビングと台所、寝室がありそれといくつかの部屋があった。それと縁側がありそこから庭の桜が見れるようになっていた。
「そうですね、確かにいい家ですね」
エルも納得したように頷く。そして、シュウはこれからこの家に住むことになることに胸を躍らせていた。
「シュウ様、お時間のほうはよろしいのですか?」
そんなシュウにエルがそう声をかけた。
「時間?」
「はい、結構な時間こちらにおられますが元の世界のほうはよろしいのですか?」
一瞬エルが何を言っているのかわからなかったシュウだが、元の世界と言われやっと理解した。
「・・・あ!」
「そろそろ、お戻りになられたほうがよろしいかと」
「そ、そうだね。それじゃあログアウトする」
シュウは慌ててウィンドウを出しログアウトボタンを押そうとしたところで手を止めエルの方を見た。
「・・・エル、これからもよろしくね」
「はい。一生お仕えいたします」
シュウの言葉にエルが微笑みながら答える。
「それじゃあ、いってきます」
「・・・はい、いってらっしゃいませ」
エルのどこか嬉しそうな顔を見つつシュウは消えていった。
怠惰にVRMMO(仮)はこれで完結させます。
理由としてはいろいろあるのですが、一番の理由はキャラ設定のあまさです。特に主人公の設定が意味わからなくなっているのでこの話は完結させます。
修正して初めから書くことはきわめて低いので期待しないでください。
しかし、他の小説を書こうと思っているので是非そちらを読んでください。
それでは、ここまで怠惰にVRMMO(仮)を読んでくださりありがとうございました。またお会いしましょう。