つながり
担任{"中学二年にもなってお前は何て作文が下手なんだ!小説書いてみろ"]
ということで生まれて初めての小説を書いてみました。
内心ドキドキ…
誤字脱字や意見などありましたらズバリ仰って下さい。
アタシは昔から、
恋をすると髪をのばしていた。
だから恋をしている間は
誰になんと言われても
髪は切らなかったし、
逆に失恋すると必ず切った。
失恋して顔を腫らし、
髪を切るといつも
「ぶっ細工な顔。
そんな顔見たくないから、
もう、泣くな」
お兄ちゃんは
無愛想にそう言って、
クスッと
馬鹿にしたように笑うけど、
大丈夫、わかってる。
慰めてくれてたんだよね、
ありがとう。
不器用なお兄ちゃんなりの
優しい気遣いが
嬉しくて、嬉しくて、
いつしか
アタシのその気持ちは
喜びから恋へと
変わっていた。
ううん、
もしかしたら
アタシはずっと
彼に恋してたのかもしれない。
それに気付かないフリをして、
記憶から消そうと、
恋したフリして、
ただ慰められる為に
髪を切っていたのかも。
…なんにしたって、
彼に恋をしても報われない。だって、お兄ちゃんだもん。
それは運命であって、
永久不変の事実なの。
だから、必死に抑えてるよ。
この気持ちは、
私だけが
知ってれば良いんだもん。
そうだよね、
つながり
♪〜〜♪♪〜
聞き慣れたメロディーが
部屋中に鳴り響いて、
アタシは
弾かれるように
ソチラを向いた。
…お兄ちゃんの好きな歌。
自分のお兄ちゃんに
恋をした少女の哀歌。
メジャーな歌手ではないから
顔さえ知らないけど、
本当に心地良い声で歌う。
まるで、アタシみたいと、
曲が聞こえる度に
一人憂鬱になった。
「お兄ちゃん、携帯鳴ってるよ」
「あ、うん」
慌てて終話ボタンを押し
少しハニカンで
こちらを向くお兄ちゃん。
憂鬱になる理由はもう一つ。
あの曲は、
お兄ちゃんの
彼女専用のものだから。
アタシなんかじゃ叶わない、
綺麗なあの、彼女専用だから。
お兄ちゃんは絶対に
人前で彼女と話さない。
例え大事な用だと
わかっていても絶対に。
兄妹のアタシにも
見せたくないほどに
壊れてしまうから。
「……ね、お兄ちゃん」
もうダメみたい。
アタシは
この気持ちを伝えようと、
秘密の恋をしていること、
恋した人には
美人の彼女が居ること、
そして明日から、
その彼女と
同居するということ。
その事を話した。
「それ、失恋…じゃん、」
「ふふ、何それ、もっと…、こう、慰めるとかさ、ないの」
アタシがそう返すと、
お兄ちゃんは
何か言う素振りを見せ、
気まずそうに目線を伏せて
頭をガシガシ、かく。
小さな頃から変わらない
そのクセ。
それさえも
あぁ、好きだなぁと思った。
「なに、」
「うーん、…でも、さ、お前はソレで良いんじゃねぇの。その男は、見る目なかったんだよ」
「男じゃないかもよ?」
「は…、」
その言葉にお兄ちゃんは
面白いくらい
可愛くキョトンとして。
なんだろ、
この気持ち。
完璧振られたのに、
今までにない位に心が軽い。
…不思議、
心が軽くて軽くて、
アタシは
無意識にフッと微笑んでいた。
ごめん、
なんて言わないでよ。
アタシが
勝手に好きになったのに。
その言葉を聞くと
やっぱまただんだん
苦しくなってきて、
涙が零れそうで、
絶対流すものか、と、
目線を下げた。
「最後だし、俺が髪、切ってやるよ」
「髪…?」
ふと
女の子の様に両手を合わせ
大声を出した
お兄ちゃんのほうを見た、
久々に顔を見た気がした。
毎日のように見てるけど、
なぜか新鮮で。
何言ってるんだろう、
何が言いたいんだろう。
「失恋、したんじゃないの」
あぁ、そういうことか。
気付いてないことに気付いた。
お兄ちゃんは気付いてない。
あれだけ
わかりやすく言ったのに、
気付いてない。
なんて鈍感な生き物。
鈍感ではあるけれど、
お兄ちゃんは悪意なく
人を傷つけることは言わない。
つまりは、
アタシが思ってるより、
ずっと、
「鈍感」
な訳だ。
じょき、
「んー、どーする?」
床にパサリ、
沢山の髪の毛が落ちた。
そーいうの、
切る前に聞かないかな、
普通。
鏡越しにかち合う視線。
うなじに触れる
指先がくすぐったい。
「可愛くして」
「お前は可愛いからどんな髪形でも似合うよ」
「キモいって」
「ふは、俺も思った」
じょき、じょき、
…あれからアタシたちは
一度も言葉を交わしてなくて、
お兄ちゃんは
ただ黙々と髪を切って、
アタシの髪は減って。
言葉のない、
静かというよりも
暗くて気まずい空気さえ
流れてるけど、
それでもこの時間が
ずっと続けば良いと思った。
明日が来なければ良いのに。
じょき、じょき、じょき、
アタシがもし、
お兄ちゃんの妹じゃなければ。
この血がつながってなければ。
そうすれば、
アタシたちは
結ばれる事が出来たのかな?
きっと無理だったと思う。
悔しいけど、
お兄ちゃんの彼女への思いは
本物だ。
きっと、きっと
負けてたんだろう。
“実はさ”
と、
ずっと
沈黙が続いていた室内で
お兄ちゃんは
短く言葉を切った。
何、と返事をすると
少し躊躇いながら、
でも確実に言葉をつないで。
“俺、結婚しようと思うんだ”
「―――、」
じょき、
「!」
勝手に動いた体。
振り返ると
鋭い刃が
頬に擦れて、
赤い、血が、
お兄ちゃんと同じ血が
涙が
流れ出していた。
「っ、」
「ごめ…っ、」
痛かった、
切れた頬も、心も、
全部全部痛かった。
「ふ……、もっ、なんなのぉ、」
「泣くなよ、ごめん、」
「っ、痛い…よ、痛い、」
「大丈夫だから、」
苦しい。苦しい。
アタシを
苦しめるお兄ちゃんも、
お兄ちゃんを
苦しめるアタシも、
最低だ。
何で、笑って
『幸せになってね』
って、言うつもりだったのに。
なのに何で
『結婚する』
なの、
お兄ちゃんはアタシを
ギュって抱き締めてくれて、
でも、
それすらも苦しい。
涙が止まらない。
痛い痛い痛い
「赤ちゃんが出来たんだよ、」
お兄ちゃんのスラッとした、
アタシなんかより綺麗な指が
切れた頬に触れて、
零れた涙と
溢れた赤、を、拭う。
赤ちゃん‥‥?
なにそれ、聞いてない。
あぁ、だから今言ったのか。
「良かった、じゃん」
「え…?」
「赤ちゃん、好きだもんね、」
一生懸命涙を抑え、
頬をあげた。
ズキズキする。
アタシ、
ちゃんと笑えてるかな?
「へへ、脅かそうと思って」
「は、何それ、マジ焦った」
「…もう、寝なよ。明日朝早いんでしょ。後は、自分でする」
そういうと、
戸惑うお兄ちゃんの背中を
ありったけの力で押して。
部屋から出した。
まだ、弱いアタシだから、
“おめでとう”
は
言えないから。
いつか
言えるようになるその日まで、この涙は
からかいの涙だと思っててよ、
一人になって
シンとなった部屋。
今はまだ
痛くて、痛くて、
苦しいけど。
だけど時がたてば
この痛みは消えるハズだから。
このつながりは、
決して消える事はないけれど、
いつかそうで良かったと
思えるように。
「好きだった…」
大丈夫、強くなる。
そう誓って瞼を閉じた――。
扉が閉じられた。
薄い一枚の板の向こうから
泣き声はもう聞こえなくて。
でも泣いていた。
まさか、
泣くとは思わなかった。
アイツは、
強いと思っていたから。
「ごめん、ごめんな…」
気付いてしまった
答えられない
"気持ち"に何度も謝って、
俺は部屋を後にした。
実の兄貴に恋をした。
コレは犯罪愛?
それでも好きなの
弱い私は皆の為と
気持ちを隠して今までずっと
きっとこれからもそう
冷たい冷たい雪は
私の心を冷やして消えていく
はじめは良かった
一日中見ていれる
何気なく触れられる
でも恋人の存在知って
苦しくなった
それ以上は出来ないんだもん
私 妹 一生よ
ひがみ?違う恨み
それほど好きなの
痛い心が壊れそうなの
温めてほしい ねぇ 気付いて
もっと苦しめばいい?
苦しい苦しいなのに
それでも足りない?
生きるのが苦しい
はじめは良かった
一日中見ていれる
何気なく触れられる
でも恋人の存在知って
苦しくなった
それ以上は出来ないんだもん
聞いたの好き?と
あなたは言った好きだよと
それすらも苦しいの
ねぇ嫌いだと言ってよなら
諦めがつく
優しいのよ嫌いになれない
夢見る少女の瞳は見えない
どうかこの苦しい事実が壊れて
どうかこの優しい嘘を永遠に
*END*
おつきあい頂いてありがとうございました。