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神話物語  作者: 縦院 ゆい
第1章 鎖が外れるとき
2/8

 opening

「みなさん。新しくこのクラスに入ることになった、トア・スぺクロウ君です。仲良くしてあげてくださいね」

と先生は言った。


 6月のある日の朝。オレは新しい学校の教室で自己紹介をしていた。

「トア・スぺクロウです。好きなことは……機械とかをいじったりすることです。よろしくお願いします」

と言ってから、オレは先生に指示された席に座った。


 ここは、ユーラシア大陸の西の方にある小さな国だ。たくさんの移民が集まった国だ。この国の公用語は英語だが、以前住んでいた地域は中国語を使っている人が多かったと、地域によっていろいろな特徴がある国だ。ちなみにここは首都だからたぶん英語が主流だろう。

 この国は、あることを除いて普通だと思う。

 あることというのは、「スキル」というものが存在すること。「スキル」というのは超能力にも魔術にも似たもので、例えば、テレポートとか、炎を出すとか。それがあるおかげか、この国では独自の科学技術が発達していた。

 特にこの町は科学技術が発達していた。教室のホワイトボードだって、ここはデジタル化しているし。きっと、オレの知らない技術もあるんだろうなぁ……。


「トア・スぺクロウ君、で、あっているかな?」

 前の席の眼鏡をかけた男子に話しかけられた。

「僕は火鈴 蒼斗(ひれい そうと)。ソウトって呼んで。僕はホームルームリーダーだから、何か困ったことがあったら聞いて」

「よろしく。オレはトア、でいいよ」


 ふと、横から鋭い視線を感じた。

 隣の席にいる、男子にしては少し長い黒髪の少年。彼がオレを――――正確に言うとオレの両腕を見ていた。腕を覆う金属製のアームカバーを。

 そして彼はぼそっと日本語(・・・)でこう言った。


「物騒なもん、身につけてんだな」


 言われた瞬間、オレはびくっとした。

「レイ」

 ソウトが少年を、レイを「そういうことを言うな。」という目で見る。たぶん、オレが今の言葉を聞いて傷ついた、とでも思ったのだろう。

ごめん(I,m sorry)

と、レイは謝った。

「気にしなくていいよ。ちょっと腕をけがして、『スキル補助装置(サポーター)』をつけているだけだから」

『スキル補助装置(サポーター)』とは、スキルを使うときなどに使う補助用の機械のことだ。

「ところで、ソウトもレイも日本生まれなの?」

「僕は、そうだよ」

ソウトは答えてくれたが、レイは答えてくれなかった。

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