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この物語を読んで下さる、全ての方へ


こんな駄文を読んでいただきありがとうございます。

第一話をリリースしてから、今のところ毎日更新しています。

実は続きを出す際に、前日のアクセス記録を見る様にしています。

アクセス数は実際多くないですが、それでも読んで下さる方は少ないながらもいらっしゃいます。

今日はお気に入りが0から1になっていました。

ぷるぷる震えるくらいうれしいです。感動です。

開始して間もないですが今まで読んで下さった方、これから読んで下さる方、これからも楽しみにしていただければ嬉しく思います。


紹介文は割とやんわりしつつも、私の思い付きで書いてしまったところがあり少し反省しています。でも大道は変えず、ダークな部分も加味しながらこれからは書いていこうと思います。




それでは、続きをどうぞ!

ステイシアを出発してから一日が経過した。

馬も休憩なしではそこまで多く移動できない為、多めに休憩を入れての旅になる。

昔の日本は休憩なしで移動する為に、移動途中で馬を切替ながら走ったらしい。

さすがにそれでは旅が面白くない。

昨日の夜も、半裸のティアとたくさん愛し合ったばかりだ。人気ひとけが無いという利点が百パーセント生かせる状態だった。

たまには野外というのも悪くないと思う。


「そういえば昨日、東の方がやけに明るかった気がするけど祭りでもあったのかな」

昨日は日が沈んでから体内時計で二時間ほど過ぎた頃、本来月明かりしかないはずの森の奥がぼんやりと明るかったのだ。

「どうなんでしょう。お祭りは収穫祭しかないはずなので、この時期には珍しいと思いますよ?」

紅茶を淹れながらあまり気にとめていない様子のティア。

膝下までのローブ姿は初めてみる姿だった為、オレには新鮮だった。


「そんなことより、早く支度して出発しましょう宗一様。もしかしたら多少割高でも行商の方から新鮮な食材が買えるかもしれません!」


行商人の朝は早い。

野党や魔物は夕方以降に現れる確率が高い。そのため朝早くから移動し、安全地帯を確保するというのが、行商の当たり前の姿らしい。

もし行商に会いたいのであれば、朝早くに大通りを移動する必要がある。


「オレは干し肉とかでも大丈夫だけど、さすがにティアもそういうわけにはいかないか」

昔から朝は苦手だ。

この世界でもできれば夜行性でありたい。


「私も干し肉嫌いではないですけど、宗一様の健康を守るのも妻の務めですから」

えっへんと胸を張るティアだが、巨乳が揺れていてむしろそれどころではない。


目線が別の場所にあることに気づいたティアは、両手で胸を隠すように言う。

「昨日あれだけしたのに、まだ足りないなんて・・・ でも今は我慢して下さいね。髪も乱れてしまいますし。夜になったらまたいくでも大丈夫ですから」

眉毛をわざと上下に動かしながらティアを見つめる。

「でも嫌いじゃないでしょ?」

「うぅ 宗一様とのは大好きです。なんというか、心が満たされる感じがします」


あっちの世界でならリア充爆発しろとか聞こえそうな展開に、急に恥ずかしくなってしまう。オレもまだまだ修行が足りないようだ。


朝食を済ませ馬に乗る。

まだ時間は七時前後だろうか、若干馬の息が白い。

「それじゃあ大通りをゆっくり進もうか。ゆっくりペースなら昨日より休憩少なくても大丈夫だろ」

「そうですね、今日はこのお馬さん達に少しだけ頑張って頂きましょうか」

そんな事を言いつつも、ティアの目はすでに道を行き交う行商達を見つめている。

「おいおい、移動しながらにしなさい」

「はいぃぃ〜〜〜」

こんな事で若干涙目のティアであったりする。


馬で移動すると視線が高くなる。当たり前な話だが、遠くまで見渡すといろいろなものを運んでいる行商がいるのがわかる。

小さな荷物しかもっていないもの、荷車に大量の果物や野菜を運んでいるもの、武器や防具を運んでいるもの。

これも旅の醍醐味だと改めて感じる。


日も高くなりはじめた頃、風にのって焦げ臭い匂いが漂ってきた。

どこかで荷物を野党に燃やされた人でもいるのかと思っていたが、何やら原因は別にあるようだ。

近くを移動する行商人の話し声が聞こえる。

「たしか風上にはアンヌの集落があったよな」

「あぁ、村じゃなかったか?なんでもいいが、最近名を上げてる盗賊団にでもやられたんだろ」

「そういやダークエルフが頭の盗賊団が最近このあたりを縄張りにしてるって、酒屋のじじいが行ってたぜ。美人なのにもったいねーよな」

ガハハハハ


「なるほどね」

「? 宗一様、どうかされたんですか?」

「いやいや、せっかくだから野党狩でもしていかないか?」

「えぇー」

半ばバカンス気分のティアは乗り気じゃないようだ。

「このままほっとけないだろ?それにティアの短剣さばきも見てみたいんだ。ちゃんと補助するからさ」

頬を膨らませながら何やら怒っているようだ。


「それじゃあ、この匂いのする方向に行ってみるか。ちゃんと戦闘準備しておけよ?」

「言われくても大丈夫です!確認して何もなかったらククリまで行くんですからね!」

完全にへそを曲げてしまったようだ。

歩調をティアの馬を合わせ、騎乗した状態でキスをする。

「これで今は許してくれない?」

「今回だけですからね!」




しばらく馬を走らせると、黒く燃え残った家が見えてきた。

どうやら本当に襲われてしまったようだ。

数件あったであろう家は全て燃やし尽くされ、人や家畜の姿は見えない。


「これは酷いですね」

「オレも何かの間違いならいいと思ってたけど、これはそのまんま襲われたあとだな」

オレとティアは馬から降り、生きている人が居ないか探し始める。

ここでスグに武器を出さないのは理由がある。

襲われた人間は極度な緊張状態である可能性がある。そこで刃物なんてだそうものなら襲い掛かってくるか、殺されまいと自分から命を絶つ事が考えられる。

もっとも、安い刃物じゃオレ達が着ている鎧にはキズ一つ付かないだろうが。

「宗一様ダメです、何も見つかりません」

「死体か、もしくは生きている人が居てもおかしくないんだがどういうことだ?」

何かがおかしいと思ったオレは、ここで初めて使い慣れている武器を出す。


両手剣【ロックハート】

かつて実在したスコットランド王の遺言により、王の心臓を聖地まで無事送り届けたとされる騎士の剣。ロックハートとは岩の心ではなく、心臓の鍵という意味で、忠誠と守護の剣だ。


この両手剣にも固有の拡張スキルがついている。

範囲防御というスキルで、近接遠隔問わず自分から周囲約三メートルの範囲を防御する。この範囲にティアを入れれば問題ないだろう。


「ティア、危ないからオレから離れるなよ。可能な限り近くにいて、生存者をみつけても絶対に飛び出すな」

今となっては命より大切な自分の妻を、絶対に守らなければならない。

「はい、絶対に守ってくださいね」

心の声を見透かされているんだろうか、そっとオレに近づくティア。


そのときだった。

森から音がすると思った瞬間、矢が三本まったく別々の方向からほぼ同時に打ち込まれた。

「ほう」

オレは柄に力を入れ、身体ごと剣を回転させた。

分かっているのかいないのか、ティアは身を屈ませている。

以心伝心ってこういう事をいうのかね。


向かってくる矢を絶妙なタイミングで刀身に当て、全て地に落とした。

ロックハートと言えど、違う方向から向かってくる矢を同時に落とすのは難しい。

ゲーム時代にスキルをカンストさせていたよかったと思う。

こうしてティアを守れるのであるから。


ヒュー

口笛を吹いて現れたのは褐色肌のダークエルフだった。


「こいつが例の」

ファルシオン系の武器をもっているダークエルフはオレ達を脅すかのようにこう言った。

「殺されたくなかったら、金目の物を全て置いてここから消えな」


映画やマンガのようなセリフをここまで本気で言われると、逆に恥ずかしくなってくる。

「お前そんなこと言って、俺に勝てんのか?」

ここは話にのって、上手いこと捕縛しちまおう。


ここでの甘い考えが、最悪の事態を招くとも知らずに。


「若いの、アタシに言ってるのかい?このカルア様に向かって歯向かうなんて三百年早いんだよ」

こいつ頭に血が上るの早いな。

カルアは持っているファルシオンを構え、ものすごい速さで向かってくる。

「そんな生意気な口たたけないように、この場で仕置きしてやるよ!」

こういうセリフ好きなんだろうか。


向かってくるダークエルフの攻撃を、オレは少ない動作でかわした。


「しまった」


いつも個人プレーだったのが災いしてしまった。

スグ後ろにはティアが・・・

間に合わない!


オレが受けるべき攻撃をティアが受けてしまった。


赤い鮮血が腕から大量に流れる。


このままでは明らかに危険だ。


「お前が避けるから、女が重症だぞ?ハハハハハ」


基本的に男性は、女性よりも血を見たときの衝撃が大きいとされる。

オレもその部類なのだろう。

心臓の鼓動が次第に、ドクン・ドクンと大きくなっていくのがわかる。


「お前、あの男を殺したらこいつらに可愛がってもらいな」

男の野党が三人現れ、ティアを羽交い絞めにする。

「頭、いいんですかい。こいつ上玉ですぜ」

綺麗な髪をひっぱり、首筋に舌を這わせる。


「や やめてください。宗一様、助けてください」


悲痛な声と、滴る血。


あの夢の言葉は本当になるかもしれない。


ここで、オレが油断したばかりにティアもオレも命を落とす。

ティアはもっと酷い目にあうかもしれない。


ほんの数秒がとても長く感じる。


さっきまで感じていた鼓動は感じとれなくなった。


ここで急に感覚を取り戻し始める身体。

目はよく見えないが、赤い人影が三人。青い人影を襲っているように見える。

いつのまにか手には刀のようなものが握られていた。

刀身はわずかに反っているつば無しの形状だが、オレの持ち物には無かったものだ。

しかし今は、武器など何でもいい。


身体がすごく軽いせいか、たった数歩で赤い人影に近づいたように感じる。

オレは赤い人影全員の首を落とつもりで刀を振るった。

一太刀目で二人の首を、二太刀目で最後の一人の首を斬った。


「な なんだよこいつ。化け物じゃないか」

カルアは腰が抜けてしまったようだ。


「宗一様、しっかりしてください。宗一様、お願いですから」


青い人影がオレを呼んでいる。

徐々に青い人影はティアになっていった。

間違っていなかった。思考も鈍っていて確信は無かったが、青い人影はティアだったようだ。


目が見えるようになると周囲には野党三人の首が転がっており、ティアは野党の血を浴びていた。


「宗一様大丈夫ですか?なんだか一瞬でしたけど、この人たちと一緒に斬られちゃうのかと思いました。怖かったです」


なにやらオレの動きは自覚がないだけで、凄かったらしい。

あとでティアには詳しく聞いてみよう。


「お前まさか、・・・。すまなかった、何度でも謝る、だから命だけはたすけてくれ」

カルアは涙を流しながら命乞いをしてくる。


「宗一様、私もこの程度で済みました。ここは穏便にククリの町で罪を償わせるのがいいと思います」


カルアは既に戦意喪失しているようだ。

ダークエルフはエルフ同様、長寿で誇り高いことで知られる。この姿からは見る影も無いが。


「よくわからいけど、ティアの言うようにしようと思う」


カルアの防具を外し、武器を隠していないか全身をくまなくチェックした。

「どこにも武器は持っていないようだ。カシア、後ろを向け」

「はい、言うこと聞きますから殺さないでください」

かなり重症のようだ。

オレがいったいなにしたっていうんだ。

こんなんじゃむしろオレが婦女暴行とかで捕まりそうだ。

手首を縄できつく縛り、この場を後にした。

いつまでもこんな場所には居たくない。



「ティア、頼みがあるんだが」

ククリから馬で約一日の距離の地点で、今日の移動は終了だ。

今日は疲れた。早めに休みたい。


ティアの腕の包帯を取り替える作業も同時に行う。

「はい、なんでしょう?」

「あのカルアとかいうダークエルフ、何か変だ。オレを急に化け物とかいうし。ティアなら大丈夫そうだ、何か聞き出してくれないか?」

「自信はないですけど、聞くだけ聞いて見ますね」


すっとティア抱き寄せて、久しぶりに泣いてしまった。

「ごめんな。俺から傍にいろって言っておきながら、こんな怪我させちまった」

「いいんです、まだ死んでないです。宗一様はちゃんと助けて下さいましたし」


カルアを近くの木へ縛りつけ、今日は寝ることにした。

この辺から、主人公がなぜこちらの世界にきたのか説明ありで物語を進めていきます。


ティアを助けるときの宗一は、何故変な感覚に陥り、一瞬で野党三人を倒せたのか。ここにもなぞがありますね。


次回、もしかしたら一日空けちゃうかもしれないですが、お楽しみに!

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