21年5月1、2、4日(興福寺、般若寺、東大寺)
21年5月1日(金)晴
興福寺北円堂が今開扉されていますが、
平日のうちにということで行きました。
ここも初めてですが運慶の晩年の作という弥勒如来は重厚な仏ですね。
弥勒はほとんどが菩薩形で如来形は珍しく
三尊形式も初めてで脇待の菩薩も初対面ということになりました。
無着世親両菩薩も身飽きることがない素晴らしさで
平日の静かさで拝観することができました。
初めてといえば興福寺の三重塔は今まで見逃していましたが
やっとご対面できました。
興福寺の外からも見えないし目の前に行かないと見えない塔ですが
堂々とした素敵な塔でした。
そのあと般若寺、海龍王寺も特別開扉期間ということで回りましたが、
ご本尊はとてもいいのですが、国宝とされている桜門や五重小塔の現状と保存が
目をそむけたくなるような状態で、
悪く言えば荒れ寺一歩手前という感じがしました。
21年5月2日(土)晴
今日の昼食を食べ終わってから東大寺で聖武天皇祭があることに気がつきました。
慌てて支度して奈良に着いたらまだ2時前でした。
近いということは本当に有り難いです。東大寺は幡が翻り祝祭ムードです。
2時頃から読経のあと僧侶たちのお練りが始まり、
3時から慶讃能が大仏殿前の鏡池の舞台で始まるとのことです。
能についてはほとんど分からない私は
10分ぐらい見て帰ろうかなと思って見始めましたが、
あまりに優雅で迫力があり引き込まれて
とうとう終わりまで2時間余り釘付けになってしまいました。
野外の爽やかな風を感じながらの能見物は最高でした。
21年5月4日(月)晴
今日はまだ連休中なので静かなお寺に行こうということで海住山寺を目指しました。
加茂駅からバスに乗るつもりで待っていますが時間になっても来ません。
まあ急ぐ旅でなし道路も混んでいるかもしれないのだから仕方がないと、
念のためバス停の表示をみると「平日のみ運行」とありました。
今日は休日?下調べ不足というか単純ミスというか。
まあ1時間くらいならと歩きましたが、
途中で創業百年を超す和菓子屋さんに道を聞いたらまあ親切に教えてくれました。
嬉しくなって柏餅と桜餅を買って食べたら
これが何とも香りがよくて美味でした。
バスがないということがこの幸せをもたらしてくれたのです。
途中で道をまた聞くとまた丁寧に教えてくれ、
ずっと後ろから見ていたらしく
途中で間違えそうになるとバイクで追いかけてまた教えてくれる親切さです。
お寺まではかなりの急な坂を登りましたが、
見晴らしは最高です。
ここの五重塔は小ぶりで室生寺のそれを思いださせる感じですが、
さすが国宝、端正な美しさです。
本尊の十一面観音さまは眠そうに瞼をたらし
しもぶくれのお顔はなんとも親しみを感じました。
10月の最終土曜日から9日間は五重塔を開扉するとともに
奈良国博に寄託中のもう一体の十一面観音さまも里帰りされるとのことでした。
午後は棚倉駅にまわり蟹満寺です。
お寺に近づくとなにやら工事中の様子です。
胸騒ぎがしてお寺の玄関をたたくと
今は本堂を修理中で来年の春までは見られないとのことです。
落胆を隠せないでとぼとぼ歩きだすと
お寺の方が追いかけてきて
「今日は申し訳なかった。また来て下さい」とお守り袋をくださいました。
開けてみるとお数珠が入っていました。
ラッキーです。