閑話 サナ、帰る
――ニキ。
ニキ。
ニキ。
ニキ。
ニキがいない。
ニキが一緒じゃなきゃ寂しい。
ニキに会わなきゃ。
早く帰ってニキに会わなくちゃ。
はやく帰らないと忘れられちゃう。
ニキに忘れられるのは嫌だ。
私はニキがいい。
私にはニキしかいない。
ニキの側にいたい。
ニキと一緒にいたい。
ニキと結婚したいし、ニキとの子供ならきっと可愛がれる。
子供には興味がないけど、ニキの子供なら愛せるはずだ。
私がニキがいい。
私にはニキしかいない。
――たとえ、ニキが選んでくれなくてもいい。
分かってる。
ニキが勇者パーティーをやめたがっていたのは、家庭に入りたいからじゃなくて戦闘についていけないと実感したからだって。
だから私はおふざけ半分にああいう反応をしたのだ。ガルスたちを納得させるために。彼らがあれ以上文句を言えないように。
だってニキが決めたのだ。
私がそれに反対するはずがない。
ニキの決断は絶対。
必ず正しい。
ならば、勇者パーティーを抜けるのだって、正しい決断なのだ。
だってニキは正しいのだから。
ニキこそが正義なのだから。
……分かってる。
ニキを独占するなら、あのまま勇者パーティーに囲い込んだ方がいいってことは。
でも、私はそれをしなかった。
昔の私なら絶対に逃がさなかったけど、今の私は違う。
だってニキが決めたんだもの。
もしかしたら私が王都を離れている間に他の女がニキを狙うかもしれない。
それでも、しょうがない。
ニキが選ぶなら。それこそがニキにとって最善の選択。
だからニキが誰を選んでもいい。
ニキが誰と結ばれようと、私がニキ以外を選ぶことはない。ただ、それだけのこと。
ニキが幸せならそれでいい。
ニキが幸せになるなら、私でなくてもいい。
でも、私を選んでくれたら嬉しい。
でも、私以外にも、きっとニキの魅力を理解している人がいる。
牽制しなきゃ。
勝たなくちゃ。
ニキは渡したくない。
ニキが私以外を選ぶならしょうがないけど。それまでは、黙って見ているつもりはない。
ニキのためなら何でもする。
ニキのためなら世界を救う。
ニキのためなら世界なんて滅ぼす。
ニキのためなら『勇者』扱いされるのも我慢する。
魔王なんてどうでもいい。
四天王なんてどうでもいい。
ニキだ。
早く帰ってニキに会わなくちゃ。
ニキ。
ニキ。
ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。
ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。ニキ。
――今から、帰るね?




