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爆弾トゥモロー⑥

逡巡していると、電話機の横に白い何かが置いてあることに気づいた。


これは……


そう、手紙だ!


「一真へ」


母さんの字でそう書いてある。小さい頃から事あるごとに見てきた、大人には似つかわしくない丸い字だ。間違いない。


俺は手紙へ手を伸ばすことも考えた。


しかし、とりあえずの問題は電話だ。出ない事には話にならない。怖いがそれ以上に何が起きているのか知りたい。ここにきて恐怖心よりも好奇心の方が勝ってきていることに気付く。


そこで覚悟を決めて電話を取った。


「……も、もしもし。斎藤です」


 久々に出すか細い声でそう呟いた。


「もしもし。斎藤さんですね?


 ああ、良かった、電話に出てもらえて。息子さんですか? 斎藤課長をお願いします」


 若い感じの女性の声で、電話の相手は矢継ぎ早にそう言い放った。


「今日朝来たら、斎藤課長が来られて無くて、8時まで待ってみたんですけど。やはり来られないようなので電話しました。


いらっしゃったらお願いできますか?


 今日は融資の相談があるので斎藤課長が居ないと話が進まないので」


 どうも相手は父さんが勤める第二銀行の部下の人のようだ。


急いだ口調で一方的にまくしたてて、俺の意思を無視してパンダが笹を食べるがごとく、サクサクと話を進める。


「あの、えっと、いるにはいると思うんですけど……」


 返答に困り、何か言えないか声を絞り出した。小さいながらも俺なりの反撃だが、


「そういえば、斎藤課長の机に何か手紙のような物が置いてあったので、そのことも一緒に伝えてもらえますか?

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