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爆弾トゥモロー⑤

どうしよう。

俺が出るべきなのだろうか?

もしも仮に昨日のあの言葉が本当ならば、仕事に行かずに、父さんも部屋から電話をきいているのだろうか?

知っていてあえて無視をしているのだろうか? いつも俺がしているように。

 鳴り続ける電話は留まる所を知らず、取ってくれる人が現れるまで鳴り続ける意志をもっているかのように思えた。

 不愉快だ。

 同じ機械音でもパソコンと電話でこうも違うものなのか。

仕方が無い。

俺は部屋を出て一階に下りることにした。

普段なら絶対にしない行動だが、昨日の一件もあって不安が背中を押した。電話を取るために一階に下りるなんて活動的な事をするのも何か月ぶりだ。多分母さんが旅行にいくから配給が止まって、食料調達に台所に降りて以来の大冒険だ。

いつもはトントンと弾むはずの音が聞こえる階段からはギシギシと軋む嫌な音がするような気がして、足取りが一層重くなる。

一階に降りたところで改めて周りの様子を探る。『頼むから何かの間違いで居てくれよ』という俺の祈りもむなしく、やはり母さんも恵も居る気配がない。

仕方なく俺は階段沿いの廊下を歩き、玄関前の電話の元へ向かった。

電話はやはり、止むことを知らず鳴り続け、近づくにつれて思わず耳を塞ぎたくなるほど耳障りに大きくなっていく。

電話の前に立って受話器に手を伸ばした瞬間、気づいてしまった。

なんて言って出たらいいんだろう。

手が止まってしまう。

電話なんて最後に使ったのは何年も前の話だ。家の中で話すこともほとんどないから声だって出るかどうかすら怪しい。


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