大作RPGに割とある過去編㉑
しかし、先生が語れば語る程、その裏に見え隠れする本心があるように思われて、俺の中の先生への敵愾心が煽られる。
「分かりません。事実を事実としてちゃんと話をすることをどうして、してはいけないんですか?
田村君のご両親だって正確な事実を早く知りたいだろうし、警察だって正確な事実を知れば調査がしやすくなるに決まってます。
カンニングという不正を正したのなら、同じように正しい行動として事実を曲げずに公表するべきなんじゃないんですか!」
俺が思いの丈を思いっきりぶちまけると、先生は困った様子で俯き押し黙る。
「結局先生は何かと理由をつけて今回の自殺の件から自分を遠ざけたい、関係無かったことにしたいだけなんでしょ。だから今も俺を呼んで口止めをしてるだけなんだ」
さらに俺が先生を言及すると、先生はこちらを向き直り反論した。
「それは違うぞ斎藤。俺はご両親と話して、ご両親の負担を考えてだな……」
「そうやってきれいごとを並べて、学校や先生が責任逃れしてるようにしか見えません。
俺はそんなことには協力しませんから。俺は俺が正しいと思うことを、俺の意思で行いますから」
先生の反論を遮ってそう言い放つと、面食らった様子の先生をそのままにして、会議室を後にした。
興奮して声が大きくなったためか、職員室にもさっきのやりとりの一部が聞こえていたようで、何やら対応に追われている様子の他の先生達や、教頭先生、校長先生が、俺が出て行くと手を止めて一斉にこちらを怪訝そうな眼差しで見つめた。
その目は『いらない事を言うなよ、黙って学校の方針に従えよ』と言っているような気がして吐き気がした。
俺は黙って職員室を出ると、教室に戻り、誰にも何も言わずに荷物を片づけて帰る用意をした。
まだ午後からの授業もあるけれども、そんなことはもはや関係なんて無かった。
そして何も知らない教室の級友たちに何も告げず、先生にも何も言わずに教室を出て学校を後にした。




